あの甘みと酸味の絶妙なバランスが、しばらく味わえなくなるかもしれない。

 大手企業でオレンジジュースの販売休止が相次いでいる。雪印メグミルクは「Dole オレンジ 100%」の1000ミリリットルと450ミリリットルの販売を昨年4月から休止している。森永乳業は4月25日、「サンキスト100%オレンジ」を原料がなくなり次第、販売休止にすると発表した。

 背景には世界的なオレンジ果汁不足と価格の高騰がある。日本は、オレンジ果汁の大半を輸入品に依存しているが、主要輸入国であるブラジルが天候不良に見舞われ、オレンジの生産が激減しているのだ。需給が逼迫し価格が高騰しているところに円安も追い打ちをかけ、安定的に原料を確保することが困難になった。

 メーカー各社は、どこもオレンジ不足に頭を抱えている。

 本紙の取材に対し、森永乳業は「原料の生産地については非公表ですが、ブラジルといった生産国の天候不順でオレンジ需給が逼迫しているため、販売を休止した」と回答。雪印メグミルクは「販売休止については、生産国の影響によることは間違いありません。一方で、200ミリリットルなどは販売しており、小さいサイズで供給を維持しています」と回答した。

 いずれのメーカーも「原料供給のメドが立っていない」と口をそろえる。

国産品での代用は難しい…

 国産温州みかん果汁と外国産オレンジ果汁をブレンドした「ポンジュース」を販売するえひめ飲料も、本紙の取材に対し「オレンジ果汁を使用した商品を一部終売するなど、絞り込みを行った」と話した。

 国産のオレンジやみかんで代用することは難しいようだ。

「いまから国産のオレンジ果汁に原料を切り替えることはまず無理でしょう。そもそも、国産の柑橘類をこれまで以上、増やすこと自体難しい。というのも、国内の柑橘類を栽培する農家は高齢化などの問題があり、原料を多く確保できる状態ではないからです。それでも、今後もお客さまのニーズに合わせて対応してまいります」(えひめ飲料の担当者)

 飲める時に飲んでおいた方が良いのかも?