大手有名企業勤務、高学歴、高年収……。結婚相談所でも好条件とされる男性が、実はギャンブルを止められず借金を抱えていたり、後輩に奢りグセがあったり、自分の趣味を優先し貯金がゼロだったり、または「結婚は世間体のためにしたいだけ」の人など、「こんなはずじゃなかった」というケースも稀にあります。

 結婚相談所でのお見合いの会話は、世間話が2割で8割は結婚観のすり合わせになります。ただ、例えば相手の生活習慣とかクセなどは、話をしていてもなかなかわからないですよね。また仮交際に進んでも、外で会って食事しているだけだと、自分を飾ったり作ってしまいがちです。ですから「本質を見抜く」には、毎回食事デートにするのではなく、日常の行動を共にして聞き出す必要があります。
 
 話の中でも、「1週間をどんな風に過ごしているのか」を聞いてみましょう。朝は何時に起きて、何を食べるのか、お昼は社員食堂か、外で1500円〜2000円のランチを食べるのか。お金の使い方、時間の使い方について相手の生活圏にまで入って聞き出すのです。たとえば「奢りグセ」も、会社の同僚とはよく飲みに行くのか、どんなお店に行くのかなど聞いていくと、「後輩を5人連れて飲んで、16万円使っちゃったよ」とかポロっと出てきます。おそらく多くの方は、日々の楽しい出来事か結婚後の生活についてなどに会話が集中してしまい、お相手の人となりがわかるような話になっていないのでしょう。

 一番よくわかるのはお相手の家に行くこと。ただし、相談所によっては断られることもあります。マリーミーでは、お相手が別の相談所の方の場合、先方の仲人さんに、2人が真剣交際に入る1歩手前に「ご自宅を拝見させてください」とお願いしています。そうすると3〜4割は許諾してくださいます。

 ある女性はお相手の家に行って、競馬の馬券が壁中に貼ってあるのを見て、想像以上にギャンブルがお好きなんだと真剣交際をお断りしました。相手の生活圏に入り込むとわかることがあるのです。

 貯金がなかったケースで最近多いのはゲームの課金です。ある女性は、デート中、相手の男性が遊覧船に乗る前の桟橋でずっとスマホ画面を見ていたり、レストランでもモバイルオーダーでメニューを見ているのかと思ってスマホを覗くとゲームをやっていて……。もちろん、破局になりました。

■資産2億円でも借金1億円

 また、年収が2000万円で、地方にアパートを2つ、都心にワンルームマンションを3つ持って不動産投資をしている別の相談所の男性がいました。資産も2億円だということでしたが、当社の女性会員はお見合いで話を深堀りしていくうちに借金が1億円あることを知ってしまいました。経済状況によってはリスクが大きいですよね。

 毎日の生活習慣からお相手の経済感覚を探っていくこともできます。手取り1000万円のお相手が貯金をいくら位出来ていそうかを探った人がいました。家賃が20万円、光熱費は約2万円、食費はスーパーで毎回いくら買っているのか。約3000円だとしたら、月に10回だということなので約3万円。。。というふうに、お見合い中にその場で計算していました。結婚前提で話をするわけですから、貯金をしているか、投資で損をしていないかなど、気になったことはお互い遠慮なく話しましょう。

 結婚とは生活なので、その点がかみ合わなかったら大問題になってしまいます。現実を見極めていくのが、幸せな結婚への近道です。

(植草美幸/恋愛・婚活アドバイザー)