早ければ今オフにもメジャー挑戦するロッテの佐々木朗希(22)に関して、「ドジャース入りが確実で、我々はノーチャンス」と言うメジャースカウトがいる。

 ドジャースと佐々木の結び付きがそれくらい強く、深いとすれば、素朴な疑問がひとつ。両者の結び付きがガチガチの鉄板で「ノーチャンス」なら、メジャーのスカウトはこの期に及んで、なぜ、佐々木が投げるたびにチェックし続けているのかということだ。

■ヤンキースやメッツもチェック

 実際、佐々木の前回登板だった23日のソフトバンク戦はドジャース、ヤンキース、メッツ、レイズ、タイガース、カージナルス、レッズ、ブルージェイズなどのスカウトたちがネット裏に姿を見せた。来日した外国人スカウトがいれば、「我々はノーチャンス」と言ったスカウトまで来ていたのだ。

「佐々木に関しては、ある日本人の存在が取りざたされています。その人物がドジャースと佐々木のマネジメントを請け負う大手広告代理店との間で暗躍しているというのです。昨年10月、ドジャースのフリードマン編成本部長が、これまで日本人選手の獲得に携わってきたゲレン・カー編成担当を伴って来日。京セラドームのネット裏で当時オリックスのエースだった山本由伸(25=ドジャース)の投球をこっそりチェックしたときに同行した人物。その前後に山本に加えて佐々木に対してもラブコールを送る段取りをしたといわれているのです」(ア・リーグのスカウト)

■山本由伸とワンセット

 ア・リーグの別のスカウトはこう言う。

「オフにドジャース入りした山本由伸と、佐々木朗希は2人でワンセットになっているというのです。内容は定かじゃありませんけど、つまり山本がドジャースに入った時点で、佐々木も後を追うということ。佐々木のバックにいる大手広告代理店は、山本のマネジメントもしていますから」

 日本のプロ球団がメジャー球団と結んでいる業務提携を解消せざるを得なくなったのは、他の29球団がドジャースの佐々木に対するタンパリングを疑ったことがきっかけといわれる。

 加えて、山本に続いて佐々木もドジャースに行くであろう裏側に日本人の存在があること、さらに2人はセットになっていること……。少しずつではあるものの、ドジャースの“陰謀”が表面化しつつあるようなのだ。

■もしタンパリングでクロになれば…

「我々がまだ、佐々木を諦めていないのは、万が一というケースがあるからです。現時点でドジャースのタンパリング疑惑は、あくまでも疑惑であって決定的な証拠はありません。けれども、徐々にドジャースの怪しい動きが露見しつつあるのは事実。これでドジャースがクロとみなされるような事態になったら、我々にもチャンスは出てくるわけですから。『佐々木のことは最後の最後まで絶対に諦めない』と断言する他球団の同僚もいます」(前出の別のスカウト)

 30日の佐々木はオリックス戦に先発。7回108球を投げ、4安打無失点、2与四球、10奪三振で3勝目(1敗)をマークした。13奪三振のオリックス・宮城大弥(22)に投げ勝ったとはいえ、ストレートの最速は158キロと相も変わらず160キロに満たなかった。あえて力をセーブして長いイニングを投げ、先発としてフル稼働できることをメジャーのスカウトにアピールしているのかどうか。

「立ち上がり良くなかったが、守備に助けてもらい、そこから何とか粘ることが出来た。フォークがいいところに決まっていたので、それに尽きると思う。相手ピッチャーが良くて点が入りづらかったと思うけど、何とか1点取ってもらった。今季初めて0点に抑えられたけど、これからまだまだ試合があるので状態を上げていきたい」

 試合後の本人はこう言ったが、どれだけアピールしても大方の予想通り、ドジャースに行けるとは限らない。クチでは弱気な発言をしても、ドジャース以外の29球団は虎視眈々と、青写真が崩れるそのときを待っている──。

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 本文中にもいる佐々木のバックにいる「大手広告代理店」はなんと佐々木が高校生の頃から目を付けていて、U18の韓国遠征にも同行していたという。

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