藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が挑戦者の豊島将之九段(34)に連勝した、将棋の第82期名人戦7番勝負第3局が8日午前9時からの2日制で東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」で始まった。先手後手は事前に決まっており、今局は藤井が先手。昨年、この会場で藤井名人は就位式を行った。「なじみの深い場所」と7日の前夜祭で話した。

全国に97カ所ある空港で、将棋の対局が行われるのは初めて。滑走路の上で戦うのではなく、ターミナルビルの会議室に畳を敷き、金びょうぶを立てて、対局場を設営した。窓からは駐機場や滑走路が眺められる。飛行機が離着陸の際に出る大きな音は、防音対策で遮断してある。

タイトル戦では、ホテルや温泉旅館などの和室が数多く使用される。このほか、今回の第2局(千葉県成田市「成田山新勝寺」)のようなお寺や、神社、お城、茶室、能楽堂、御用邸など「和の様式美」を持つ建物でも行われる。

変わった対局場としては、一昨年5月に囲碁の本因坊戦第2局(井山裕太本因坊対一力遼棋聖=当時)を埼玉県熊谷市の熊谷ラグビー場で開催した例がある。といっても、芝生の上ではなく、ラグビー場の芝生のグラウンドを見下ろせる貴賓室での一戦だった。