環境省は14日、今月1日に熊本県水俣市で開かれた水俣病の犠牲者慰霊式後の被害者団体などとの懇談会で役所側が団体側の発言中にマイクの音を切るなどした問題を受けで、省が一体となって水俣病対策に当たる新たな組織「水俣病タスクフォース」を設置したことを発表した。

顧問には伊藤信太郎環境相ら政務三役が就任したほか、和田篤也事務次官ら幹部が幹事を務める。発言者の発言中にマイクが切られた懇談会の現場で司会を務めた木内哲平・特殊疾病対策室長も、副主査として名を連ねた。メンバーは計29人。会見した伊藤氏は「問題解決のために何ができるか、機動的に動く」と訴えた。

今回の問題をめぐり強い反発の声が出たことを受けて、伊藤氏は8日に急きょ水俣市を訪れ、関係者に直接謝罪。「時間を超過した一部の方について、発言の途中でマイクの音量を切る運用をしたことは大変遺憾。発言されていた方に対して大変申し訳ない思いだ。深くおわびを申し上げたい」と述べ「深い反省の上で、どのようにすれば皆さまに寄り添った懇談ができるか検討していきたい」としていた。

1日に行われた伊藤氏と水俣病患者らでつくる8団体との懇談会の場では、団体側の代表者らが切実な思いを訴えているさなかに「3分」と決められた持ち時間が過ぎると環境省側がマイクの音量を切ったり、発言をさえぎる対応をしていた。