<巨人4−0DeNA>◇15日◇福井県営野球場

巨人堀田賢慎投手(22)が、6回無失点で今季無傷の3勝目を飾った。DeNA打線を相手に強気に攻めて散発2安打、三塁を踏ませない好投を見せた。打線も1回2死から相手失策に乗じて好機を広げ、坂本勇人内野手(35)の左前適時打で先制。2点リードの7回には、丸佳浩外野手(35)が今季2号の右越え2点本塁打を放った。投打がかみ合い、8年ぶり開催となった北陸・福井の地でがっちりと首位を守った。

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巨人堀田賢慎投手(22)が9秒台のスタートダッシュを決め、3勝目を挙げた。1回先頭。プレイボールの“号砲”からDeNA蝦名を1球で捕邪飛に仕留めた。左足を上げてから捕手岸田のミットに打球が収まるまで。タイムは10秒足らず。「中継ぎの時から先頭は大事にしている。先発になっても変わらずに入れたのがよかった。詰まりながらのキャッチャーフライ。指にかかっているのは確認できた」と球が走った。

6回2安打無失点。三塁を踏ませぬ好投に「ベストを尽くせた。カウントが悪くなっても耐えられた」とうなずいた。チームは4カード連続勝ち越しで首位を堅守。貯金は今季最多5となった。

舞台は8年ぶりのプロ野球開催だった福井・セーレンスタジアム。球場隣には「9・98スタジアム」と名付けられた陸上競技場がある。7年前の9月9日。陸上男子100メートルの桐生祥秀が9秒98をマークし、「10秒の壁」を初めて突破した。日本陸上界の悲願が実現した場所だった。堀田は「ファンの方も集まっているなというのは投げ終わってベンチから見て思っていた。そういう中で、いいピッチングが出来たのはすごくうれしい」と心地よい疲労に浸った。

19年ドラフト1位右腕・堀田も3勝目、先発2連勝、15回1/3連続無失点と過去の自分の記録を塗り替える。阿部監督からも「自分の投球ができていたのかな」と評価された。先発の座を守り続けるには結果を出さないといけない立場。輝きは一瞬で終わらせない。先発争いのレースに勝ち、立場を築く5年目とする。チームをさらなるジェット気流に乗せる。【上田悠太】