女子日本代表なでしこジャパンの11年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会優勝メンバーで、WEリーグ大宮アルディージャVENTUSでプレーするDF鮫島彩(36)が、今季限りで現役を引退することを発表した。25日のホームINC神戸戦が最後となる。

鮫島はクラブの公式サイトで「両親からもらった名前の通り、サッカーを通じてとても彩りのある時間を過ごすことができました」とコメントした。

栃木県出身の鮫島は、宮城・常盤木学園高でプレー。高校卒業後は、東京電力マリーゼでプレーした。11年には、東日本大震災の福島第一原発の事故の影響を受け、チームが活動を自粛。鮫島は思い悩んだ末に、ボストン・ブレイカーズ(米国)に移籍し、プレーを続けた。

11年の女子W杯では左サイドバックで全試合に先発出場し、優勝に貢献。国民栄誉賞を受賞した。その後はモンペリエ(フランス)を経て、12年7月にベガルタ仙台レディース(現マイナビ仙台)にクラブ初のプロ選手として加入し、国内復帰。同年のロンドン五輪では、なでしこジャパンを銀メダル獲得に導くなど日本代表国際Aマッチ通算114試合5得点。日本女子サッカーの盛り上げに大きく貢献した1人だった。

鮫島の引退発表のコメントは以下の通り。

「過去を振り返れば、震災によるチーム活動休止、アメリカリーグ移籍、アメリカリーグ廃止によるフランスリーグ移籍、W杯優勝、五輪銀メダル、怪我による無所属でのリハビリ期、etc.....自分の思い描いていたサッカー人生からは、想像もつかない出来事の連続だった気がします。ですが、自分が想像していたよりも遥かに、学びの多い、素晴らしいサッカー人生を送ることができました。サッカーを始めてから28年間。あのときもし別の選択をしていれば、失点していなかったかも、怪我をしていなかったかも、もっと良い方向に向かっていたかも...そう思う瞬間はいくつもありますが、サッカーをやっていたからこそ見ることのできた景色や出会えた仲間、そして、これまでに出会ったファン・サポーターの皆さんの存在が、今までの私の選択が全て最高の選択だったことを証明してくれています。両親からもらった名前の通り、サッカーを通じてとても彩りのある時間を過ごすことができました。関わってくださったすべての方々に、心より感謝します。本当にありがとうございました。最高に幸せなサッカー人生でした」。