◆イースタン・リーグ 西武8―0オイシックス(3日、カーミニーク)
 西武の3年目左腕、羽田慎之介投手(20)がプロ初完投初完封勝利を飾った。序盤は昨季までの最速を上回る154キロの直球を主体に、今季ファーム初参入したオイシックスの打線を圧倒。5回に元日本ハム、巨人の陽岱鋼に初安打を許したが、後半は変化球主体の投球に切り替えて2安打に抑えた。試合後マウンドでガッツポーズを披露。「結構ストライクを投げられた。チームに貢献できている」と笑顔を輝かせた。

 昨季イースタンで初勝利を挙げたばかりだが、今季4度目の先発で早くも4勝目。オフに高橋光成や平良海馬らと宮古島で自主トレし、ウエートトレーニングで筋力を増やしたほか、体の連動性を高める動きを模索。故障がちだった体が強くなった。

 さらに追求しているのが心のコントロール。「ネガティブなマインドになったときの切り替え方とか、精神的なものを支えてあげる技術を持っておいた方が(投球の)コントロールは乱れづらい。メンタルコーチと話し、投球練習を通じてもいろいろ取り組んだ」と平常心で投げ通した。9回も149キロの直球を投げ込み、112球で完投。それでも「思ったより(終盤に)球速が落ちた」と満足しなかった。

【次ページに続く】ネクストブレーク候補

 身長191センチと長身で、同じ長身左腕でメジャー通算303勝したランディ・ジョンソンに例えられて「和製ランディ・ジョンソン」と称されている。オフにはフジテレビの番組内で今井達也ら複数のチームメートからネクストブレーク候補として名前が挙げられた。「うれしいですね。自分の中で揺るがない自信がつくぐらいにはなりたい」と理想を掲げる20歳。「勝率はあまり気にしないけど、防御率1点台、奪三振率は10点台を超えたい」とこの日8個奪った三振をさらに増やしていく。
(末継智章)