◆ソフトバンク12―0楽天(22日、京セラドーム大阪)

 ソフトバンクの和田毅投手(43)が、7回102球を投げて3安打無失点の力投で今季2勝目を挙げた。

 43歳とは思えぬ圧巻の投球だった。3回まで1人の走者も出さない完璧な内容。4、6、7回に1安打ずつ許すも、2併殺を奪って7回を22人で終わらせた。この日の最速は146キロ。相手打者が直球を仕留められず、ファウルになる場面も多々見られた。和田は「真っすぐはもちろん良かったかなと思いますけど、海野の配球が良かったんじゃないですかね。本当にいいところでいいボール(のサイン)を出してくれた」と今季初めて組んだ後輩の労いも忘れなかった。

 2004年7月19日、ユニホーム配布イベントの原点となる「白の奇跡」が開催された。当時23歳の和田はその試合で先発し、1安打1失点で完投勝利をした。今年は同イベントが4月20日、5月22日、7月2日の3日間、20年ぶりに復刻。その2日目の先発マウンドは背番号「21」に託された。

 入場者にはレプリカのユニホームや白いフラッグが配られ、球場全体が白く染まる中、当時をほうふつさせるような投球で勝利を手にした。「イベントの中で勝てたというのは自分もうれしかったですし。関西のホークスファンの皆さんにも勝利が届けられてほっとしています」と、ベテラン左腕は白い歯を見せた。

 小久保監督も「やっぱり落ちついて本来の、146(キロ)くらい出ていましたしね。非常にいいときの和田に戻っていましたよね。今年一番のピッチングをしてくれた」とたたえた。衰え知らずの左腕がまさしく〝キセキ〟の投球を見せてくれた。(大橋昂平)