高波や強風により、数十メートルにわたって砂浜が削られた上越市の海水浴場。これから迎える夏の行楽シーズンに向けて砂浜の復旧作業が始まりました。

夏になると多くの海水浴客でにぎわう上越市の鵜の浜海水浴場。フォトスポットでもある人魚の像の前には砂浜が広がっていましたが…

【齋藤正昂アナウンサー】
「本来であれば、あちらに突き出たコンクリートの高さまで砂があり、数十メートル先まで広がっていたのですが、波によって浸食され下の護岸もむき出しになっている状況です」

5月24日海水浴場を取材すると、その砂浜はなくなり、3メートルほど下のコンクリートの護岸がむき出しの状態になっていました。

なぜ、このような状況になったのでしょうか…

【上越市柿崎区総合事務所 石澤親久 次長】
「日本海側なので冬になると大きな波が来て、強い風もある。やはり沿岸というのは浸食がどこも進んでいると思うが、隣接する浜で浸食が進んできて、それが徐々に海水浴場に進んできた」

6年前に上空から撮影された鵜の浜海水浴場の写真です。

中央には砂浜が広がっていましたが、冬に吹く風により離岸堤が設置されていない場所から波が入ってきて砂浜を浸食。

今年2月に撮影された写真では砂浜がなくなってしまっているのが確認できます。

去年10月から砂浜の浸食が見られたため、上越市は去年の年末に海水浴場のシンボルであった人魚像を待避。以降も浸食は止まらず、1月初旬には像の台座付近まで砂がありましたが、1月下旬には台座がむき出しに。

この現状に地元の人は…

【地元の人】
「子どものころ広い砂浜だったから、こんなになるとは考えられなかった」

45年前に整備された海水浴場の変わり果てた光景に…

【地元の人】
「これ以上浸食はされると、こんどはこっちの温泉街のほうもけっこう被害が出ると思う」

近くにある鵜の浜温泉への影響も懸念されます。こうした中…

【齋藤正昂アナウンサー】
「これから迎える夏の海水浴シーズンを前に、砂浜を元に戻そうと大量の砂を積んだトラックが復旧工事現場に到着しました」

上越市は23日、砂浜の復旧工事を開始。約4000トンの砂を10日ほどかけて運び入れ、6月下旬に砂を敷く作業を始める予定です。

【上越市柿崎区総合事務所 石澤親久 次長】
「一生懸命、海開きの準備をしている。特に安全に配慮しながら海水浴場を開設したいと思うので、ぜひ多くの皆さんから来ていただければ」

去年に比べて規模は狭まるものの、市は7月13日に海開きする予定です。