9人組グループ・Snow Manのラウールが単独主演する映画『赤羽骨子のボディガード』(8月2日公開)に俳優・土屋太鳳が出演することが決定した。とある事情から100億円の懸賞金をかけられた赤羽骨子(出口夏希)を殺したいほど憎む姉・尽宮正親(じんぐう・まさちか)役に起用。このほど、普段の土屋のイメージを覆すビジュアルも公開された。

 『週刊少年マガジン』(講談社)で連載中の、丹月正光氏による人気漫画を実写化。とある事情で命を狙われることになった赤羽骨子。大好きな彼女のためにボディガードとなった威吹荒邦(いぶき・あらくに/ラウール)に与えられたミッションは、彼女にバレることなく守ること。果たして、そのミッションを無事にクリアすることはできるのか。

 国家安全保障庁長官・尽宮正人(遠藤憲一)の娘として生まれるが男として育てられ、父の愛情を受けたい一心で血のにじむような努力をしMI6に所属するエリートとなるが、どんなに努力をしても正人は正親に見向きもせず骨子を溺愛していた…。

 やがて正親の敵意の矛先は骨子に向けられ、骨子を殺したいほど憎むようになる。骨子の命を狙い、ボディガードとして彼女を守る威吹荒邦と対峙することとなるが、ひょんなことから荒邦にある感情を持つようになる。

 圧倒的な存在感を放ち手強い敵として登場する正親だが、荒邦というピュアで真っすぐな存在と出会い、徐々に人間らしく変化していくのだった。完璧なのにどこか不器用で感情をむき出しにしていく姿はどこか憎めない愛らしい魅力あふれるキャラクターとして描か
れている。

 これまでの土屋のイメージを覆す、黒のレザーコートに身を包み、銀髪、そして右目には眼帯という圧倒的な存在感を放つ妖しげなビジュアルはもちろんのこと、娘として生まれるが男として育てられた難しい役どころを見事に演じている。

 加藤達也プロデューサーは今作の人気キャラクターでいわば「ジョーカー的な存在」となる正親について「今までの映画史でも見たことがないキャラクターにしたく、普段のパブリックイメージからはまったく想像できない、イメージが湧かないような方にお願いできないか。どんな方であれば、この難役をお願いできるのか。非常に悩みましたし、考え抜きました」とその結果、選ばれたのは土屋だったという。

 「類稀(たぐいまれ)な美しさ、華やかさ、強さとしなやかさをお持ちで、コミカルさを兼ね備える人と考え抜いた時に、最後は理屈ではなく、閃(ひらめ)きと、直感で絶対に土屋太鳳さんにお願いしたいと思い、今回オファーさせていただきました」とし、本人もビジュアルにこだわり、ほぼ自らアクションにも挑んだことを明かす。

 「カメラに映し出された土屋さん演じる正親を見た時に、当初の想像をはるかに超えたキャラクターに昇華していただいていて、圧倒され震えてしまうほどでした。きっと映画史に残るような傑出したキャラクターになっていると確信しておりまし、縦横無尽に躍動する正親をぜひ大きなスクリーンで皆様にもご覧いただきたいと思います」と自信をのぞかせている。

■土屋太鳳インタビューコメント

――クランクアップを迎えて今のお気持ちをお聞かせください。

率直にいうと、寂しいなという気持ちです。演じさせていただいた時間自体はすごく短いんですけど、演じれば演じるほど自分の心にどんどん入り込んでくるような愛おしさを感じる役でした。

――正親役のお話が来たときのお気持ちをお聞かせください。

原作と台本を読ませていただいて、これは責任重大だぞ!と思いましたね。男の子として育てられたけれど、お父さんには『娘』として認めてもらいたいと願っていて、しかも荒邦と骨子の距離を縮めるキーマンでもあって、その上で、正親は荒邦を圧倒しないといけないじゃないですか。難しい役だなと思いました。

――役作りをかなり準備されてこだわられたと思いますが、具体的にこだわられたところを教えてください。

まずは、登場シーンですよね。ここでちゃんと正親として荒邦を圧倒しなきゃいけない。それができないと、そのあとのかわいらしい部分や憎めない部分が表現できないので、とにかく正親がどんな気持ちで育ってきたか全力で考え続けて、そのエネルギーを込めました。といっても正親らしさは気持ちだけで表現できるものじゃないので、宝塚の男役の方にコツを伺ったり、宝塚のメイクに携わっている方に講習会を開いていただいたり、家族に姿勢や歩き方や声の出し方を教わったりして、私自身の日常の中で正親の生活を送りました。ですのでその頃は、普段の生活でも男らしかったと思います。声は低くしすぎると枯れてしまうので、低い中で声色やニュアンスを変えたり息を入れたりと工夫しましたが、とっても難しかったです。衣装とメイクとウィッグにたくさんパワーをもらって、やっと乗り切れた気がします。

――印象に残っているシーンを教えてください。

学校のシーンがクランクインだったんですけど、反省点が多かったんです。自分の立ち姿だったり歩き方だったり、もうちょっと研究できたなと思って、少し工夫を重ねました。水族館のシーンでは、よりけんかっぽいアクションにしたいなと思って、ギリギリまで練習をして臨みました。休憩時間に、荒邦さんが「正親の気迫を感じます」と言ってくださって、すごくうれしかったです。

――ラウールさんとご一緒されてみていかがでしたか?

ラウールさんは頭脳と身体能力の両方をフルに使って、現場でどんどん進化していかれる方だなと感じました。正親とのアクションでは受け身を担当なさってますけど、アクションって、実は受け身が上手くないとアクションにならないんです。しかも受け身って危険なんですよね。体格差もすごくあるのに一生懸命向き合ってくださって、本当にすばらしかったなと思います。

―出口さんや遠藤さんはいかがでしたか。

とても明るくて、夏希ちゃんのかわいい笑顔にパワーをいただきながらご一緒していました。遠藤さんは、ずっと共演させていただきたいなと憧れてきた方なので、やっとお会いできたという感じでした。私が申し上げるのはおこがまし過ぎるんですけど、本当にお芝居がお上手で、すてきで、胸にぐっときました。

――最後に公開を楽しみにしている皆さんへ一言お願いします。

さわやかで華やかで思いきり楽しんでいただける魅力的な作品になっていると思います。錚々児高校3年4組の熱い日々を、是非スクリーンで体感してください!