桐島かれんさんが、新たな暮らしのアイデアを探す大人のおしゃれ手帖の人気連載「Blooming Life」。
2024年5月号では、趣味で茶道をたしなんでいる、かれんさんの弟でフォトグラファーの桐島ローランドさんを招いて、カジュアルにお茶を楽しむ秘訣を紹介しました。
誌面には載せきれなかった、素敵な茶器の数々について詳しくお伝えします。

まずはお気に入りの茶道具を見つけることが、お茶を楽しむ第一歩

茶道の世界に興味はあるものの、ハードルが高いと感じている人は多いのでは……?
けれども日常の中で楽しむのであれば、あまりルールにとらわれず、まずは気軽にトライしたいもの。

桐島ローランドさんによると、お茶を楽しむための秘訣のひとつが、「お気に入りの茶道具を持つこと」だそう。
撮影でも、ローランドさん夫妻が集めたという取っておきの「茶籠(ちゃかご)」を持ってきてくれました。

茶道具一式を詰め合わせた茶籠。銀細工の籠は、愛知県名古屋市にて制作する鍛金家・長谷川まみさんによるもの。

茶碗や茶杓(ちゃしゃく)、茶筅(ちゃせん)、棗(なつめ)など、コンパクトな茶道具がきれいに収まったさまは、眺めるだけでもワクワクできます。

アンティークの器や海外の布地を取り入れ、「見立て」を楽しむ

「茶籠」とは、旅先や屋外でもお茶を楽しめるよう、茶道具一式をコンパクトにまとめたもの。
和の道具に限らず、ミャンマーの古い漆器を、抹茶を入れる「棗」に見立てたり、道具を入れる袋に東南アジアのファブリックを用いたり……。
今まで集めたアンティークの器や雑貨を活かしながら、想像力を膨らませて自分だけの「マイ茶籠」を作るのも、お茶を楽しむ第一歩となりそうです。

ちなみに、こちらは茶籠ではなく、「野やかん」に茶道具を詰めたもの。
金工師である長谷川一望斎さんの作品です。
特筆すべきは、茶碗を清めたり温めたりしたときに使った湯や水を捨てる「建水(けんすい)」が、やかんにピッタリ重なるように作られていること。
この微細な技術が長谷川一望斎さんの作品の特徴です。

ローランドさんの干支にちなみ、ふたの持ち手はさるのモチーフとなっています。
茶筅や建水などの道具類を入れる袋には、インド更紗などを取り入れているといいます。

「大人のおしゃれ手帖」2024年5月号では、桐島ローランドさんが、お茶だけでなく抹茶ラテも作ってくださいました。
この器は、志野茶碗で、山口真人さんの作品です。


撮影/平岡尚子  文/工藤花衣

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