家の中でマグネットがくっつく壁があると整理整頓の幅が広がる。パネルや塗料など様々な商品が登場しており、壁面の広さや設置条件によって選びたい。

愛知県に住む会社員女性(36)は昨年4月、長男(7)が小学生になり、プリントや書類が増えた。家族がよく集まる部屋でわかりやすく管理する方法を考えたが、冷蔵庫に貼ると生活感が出てしまう。そこで、収納棚を製造販売する「スチールラックのキタジマ」(大阪)の「壁面突っ張りパンチングラック 有孔ボード風」(自社サイト価格9980円)を購入した。スチール製のパネルで、天井と床の間に突っ張って取り付ける。幅45センチ、厚み3センチで、高さは160〜270センチに対応している。

女性はダイニングの一角に取り付け、マグネット付きのファイルなどを活用しながらプリント類を整理している。女性は「組み立ても簡単で、子どもが描いた絵を飾りたい時にも重宝しています」と話す。壁に画びょうで穴を開けずにプリント類を貼れることも利点だ。

絵の具・塗料メーカーの「ターナー色彩」(大阪)が扱う「マグネットペイント」は、ボードなどを設置することなく、塗るだけで壁がマグネットになる下地用塗料だ。下地として塗料を壁に3回程度塗り重ね、乾いたらその上に市販の内装用塗料などを塗る。下地用塗料が塗れるのは塩化ビニールクロス、石こうボード、モルタルなど。水性で、においがなく、速乾性に優れる。

同社の担当者によると、3平方メートル程度の壁を塗るには1・5リットル入り(1万7050円)、1平方メートル程度なら0・5リットル入り(6600円)がよい。

家具販売大手「ニトリ」では、「マグネットがくっつくシート&壁紙セット」が好評だ。壁やガラスドアの冷蔵庫などに貼る。まずシートを貼ってその上に壁紙を貼ることで、壁になじみやすい。Sサイズ(1990円)は幅60センチ、高さ30センチ、Mサイズ(3990円)は幅100センチ、高さ45センチで、好みの大きさにハサミなどで切って使う。白、ライトブラウン、ダークブラウンの3色がある。

同社の担当者は「壁にマグネットフックなどをつけると小物を掛けることができる。賃貸住宅でも安心して使えると人気です」と話す。

マグネットのパネルなどを壁に設置する場合は、しっかり固定しよう。塗料やシートの場合、壁面の表面に凸凹があると、扱いにくいので避ける。商品によってどれぐらいの磁力の磁石がくっつくか異なるので注意したい。(読売新聞生活部 山村翠)