著名人の名前や写真を悪用したうその投資広告を出したり、「必ずもうかる投資方法を教えます」などとメッセージを送るなどしてSNSに誘導し、金銭をだまし取る、いわゆる「SNS型投資詐欺」が横行しています。警察庁は、こうした詐欺により1000万円以上の被害を受けた事例もあるとして、注意を呼び掛けています。

「投資金」「手数料」という名目で振り込ませる

 警察庁によると、SNS型投資詐欺では、著名人をかたったうその投資広告などでSNSに誘導後、投資に関するメッセージのやりとりを重ねて相手を信用させ、最終的に「投資金」「手数料」などという名目で金銭などを振り込ませるといいます。

 例えば、SNS上で著名人を自称する人やその助手を自称する人と知り合った70代の女性が、グループチャットでやり取りをするうち、相手の言葉を信じ、指定された口座に複数回、金銭を振り込んだ事例があります。結局、この女性は計約4500万円をだまし取られたということです。

 警察庁は、ネットを通じた投資については、お金を振り込む前に、次のポイントをチェックするよう、アドバイス。1つでも当てはまった場合は、お金を振り込む前に、迷わず警察に相談するよう呼び掛けています。

【チェックポイント】
(1)投資先が実在しているか・国の登録業者かどうか
・紹介された業者が、実在する安全な業者かどうか見分けるため、金融庁の「無登録業者との取引は要注意!!〜無登録業者との取引は高リスク〜」(2023年6月30日)のページで、金融商品取引業者などに登録されているかを確認すること。

・無登録での金融商品取引業や暗号資産交換業は違法なので、無登録業者と取引を行わないこと。

(2)「必ずもうかる」「あなただけ」といった文言に注意
「必ずもうかる」「確実に利益が出る」といったもうけ話や「あなただけ」に教える投資の勧誘といった誘いは、まず疑うこと。

(3)投資を勧めている「著名人」がなりすましでないか
著名人が無料で投資教室を開催したり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にない。

(4)投資に関係する「暗号資産」や「投資アプリ」などが実在するか
勧められた暗号資産や投資アプリの名前を必ずネットで検索すること。

(5)振込先の口座に不審な点がないか
一般的に、投資話が本物であれば、「振込先として個人名義の口座を指定されること」「振込先の口座が振り込みのたびに変わること」は、まずない。