PRESIDENT Online 掲載

要領よく仕事を進めるにはどうすればいいか。教育コンサルタントの塚本亮氏は「学校の試験と違って仕事に100点はない。完璧主義に陥らず、適度に手を抜いて妥協することがときには重要だ」という――。

※本稿は、塚本亮『要領よく成果を出す人は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■「何もかも完璧にやろうとすると最終的に失望することになる」

完璧主義の人は、細部にまでこだわり、きちんと仕事をやり抜く「職人気質」な人が多いように感じます。テキトーな仕事をしない点において、完璧主義の人は非常に頼もしい存在と言えるでしょう。

一方で、多くのタスクが次々と発生し、同時に複数のプロジェクトを進める必要があるのに、なかなか仕事を手放せないという一面もあります。

完璧な100点を求めてしまうため、最適解の80点でOKを出せないのです。

なぜ、妥協できないのでしょうか?

フェイスブックの元COOであるシェリル・サンドバーグの次の言葉には、完璧主義の人への深い洞察がうかがえます。

「何もかも完璧にやろうとしたり、すべてが正しく行われることを期待していると、最終的に失望することになる。完璧主義は敵である」

完璧主義者は、自分に高い目標を課し、他人の評価を過度に気にし、間違いを過剰に恐れる傾向があります。

だから、妥協できずに仕事を抱え込み、パフォーマンスが下がるのです。

このような性質は、完璧ではない自分を低く評価することにつながり、常に強いストレスにさらされ、結果として精神的健康を害することにつながります。

完璧主義の人は、こうした生きづらさを抱えているのです。