PRESIDENT Online 掲載

職場で突然質問されたり、急に意見を求められたりしたときにはどう答えればよいのか。モチベーション&コミュニケーション代表の桐生稔さんは「本音を言えば、答える前に少し考える時間がほしいがそんなことは言えない。こういう場合には『答える』のをやめ、『聞く』、つまり即答せず、あえて相手の質問を吟味するとよい」という――。

※本稿は、桐生稔『提案・指示・交渉・雑談・プレゼン・会議etc.あえて話さない戦略』の一部を再編集したものです。

■いきなり上司から想定外のことを聞かれたら

職場で仕事をしていると、突然質問されたり、急に意見を求められたり、いきなり想定外のことを聞かれたり……。

うまく答えられないときもあります。

例えば、突然上司から「なんかおもしろい企画ない?」と聞かれたら。

「おもしろいって……」、急にそんなにポンポン出てこないですよね。

会議でいきなり「どうしたらいいと思う?」と意見を求められることも。

「どうしたら……」、そんなアバウトなことを聞かれても、なんとも答えづらいものです。

■「答える」のをやめて「聞く」

以前、こんな会議がありました。

お酒の販促会議をしていて、上司が部下にヒアリングしています。

「Aさんはお酒飲むの?」→「ほとんど飲まないです」
「Bさんは?」→「僕は毎日飲みます」

Cさんも当然自分のお酒事情を聞かれると思っていました。

ところが、

「Cさんは最近の若者のアルコール離れについてどう思う?」→「えっ! 私だけ意見?」

想定外の質問にCさんは言葉を詰まらせてしまいました。

答えられないのに、無理やり答えようとすると、

・的外れなことを言ってしまう

・不用意に答えて突っ込まれる

・撤回できず、あとに引けなくなる

・もっと違うことを言えばよかったと後悔する

そんなことが起こります。

本音を言えば、答える前に少し考える時間がほしいですよね。まさにバレーやバスケでいうタイムアウトみたいな時間です。

でも、「少し考えたいので5分お時間いただけますか?」なんて言えませんよね。会話はリアルタイムで進んでいます。

ポイントは、「どうやって会話をしながら答えを考える時間を確保するか?」です。

そこで、こう考えてみてください。

「答える」のをやめる。

そう、「聞く」です。

つまり即答せず、あえて相手の質問を吟味すること。