まもなく春も終わり梅雨、そして夏がやってくる中、デリケートゾーンの臭いが気になるという人は多いでしょう。 4月28日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』には、「奥さんとの性交中にデリケートゾーンの臭いが気になる」という質問が寄せられました。 婦人科の相談も行っているスマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師がその原因について解説しました。

     

デリケートゾーンの臭いの原因3つ

「性行為の中で、性器の臭いが生臭く感じるんです。本人もそれを大変気にしています。10年以上前に聞いたんですが、育児エッセイの漫画家さんはこの臭いに関して治療ができると読者の相談に応えていました。治療ができるというのは本当ですか?」(Aさん)

「婦人科外来でもデリケートゾーンの臭いについての相談は多い」と窪田医師。

窪田「デリケートゾーンの臭いは3つだと思います。一つはおりもの。二つめは陰毛や小陰唇に残っている恥垢(皮脂やおりものなどの分泌物が溜まってできたもの)。三つめが『すそわきが』という汗の分解物」

八木は「わきが」は聞いたことがあるけど「すそ」はないようで、どのような意味か窪田医師に尋ねます。

窪田「昔…生きておられたら80代くらいのお歳の方が、デリケートゾーンのことを少し隠して『すそが』と言っていたんですよ」

「わきが」は腕の下のわきが臭うことを言いますが、それが「すそ」なので、「すそが」という言葉ができたのかなと予測。

窪田「わき毛のアポクリン腺という汗の汗腺から出てくる分泌物はたんぱく質を多く含んでいるので、分解されると臭いやすいんですね」

性交渉中だけ強くなる臭いはある?

Aさんの奥さんが普段の生活でもデリケートゾーンの臭いを気にしているかはわかりませんが、八木は「性行為中だけ匂いが強くなることはあるの?」と尋ねます。

窪田「女性は性行為中に興奮してくると濡れてくる、その時に関係しているのは膣の入口のところにあるバルトリン腺からの粘液なんです。この粘液については、ほどんど匂いがないと思います。無色透明です」

セックスの時はバルトリン腺からの粘液や汗などの分泌物と、おりものや恥垢などデリケートゾーンからのものが混じって臭うので、性交渉する前にシャワーをあびて清潔にしておけば、強い匂いは防げるといいます。

八木「でも奥さまは気になるようで…原因として他には何が考えられますか?」

窪田「後はおりものの状態と(膣の)中のバランスがうまく取れているかどうか」

酸っぱい匂いだったら正常範囲なのだそうですが、イカや魚の一夜干しみたいなチーズの臭さみたいなにおいであれば、おりもの自体のケアが必要だと窪田医師。

基本的におりものには乳酸菌の仲間であるデーデルライン桿菌という善玉菌がいるので、膣の中は弱酸性に保たれています。
そのバランスが崩れると、他から雑菌をもらったもらわないに関わらず、弱い雑菌が増えて臭いが強くなったり色が濃くなったりするそうです。

臭いの解消法は?

八木「バランスが崩れる要因は、感染しちゃうとか?」

窪田「もちろん雑菌だけじゃなくて、もらって起こる膣炎というのもあるけど、もらわない状態で善玉菌とのバランスが崩れた時には、軽く弱い雑菌が入ることを細菌性膣症といわれている」

いずれも婦人科で検診をしてもらって、バランスを整えるための膣内で溶ける薬で治療することが可能だそう。
前述にもありましたが、恥垢もかなりにおいの原因になるということで。

窪田「ある程度きれいに洗っていればというのは、ゴシゴシ擦る必要はありません。小陰唇の内側にある溝にたまりやすいので、お風呂やシャワーで指の腹を使って優しく洗っていただければと思います」

最近では、デリケートゾーン用のソープも販売されているので、そのような商品を選んで軽く泡立てて優しく綺麗に落としてあげてほしいと促しました。
(野村)