最近著名人に無許可で画像や名前を堂々と使用した広告が増えていることが社会問題となっています。 関西テレビなどによれば、京都府に住む高齢女性がSNSでジャーナリストの池上彰さんを騙った人物から投資を持ちかけられ、およそ2億3000万円をだまし取られたことが報じられました。 5月24日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では「投資サギ」をテーマに、北野誠と氏田朋子が語ります。

     

2億3000万円になる前に

信頼が厚い著名人が広告に使われると、年配者がつい信用してしまうということはありそうです。

今回のニュースに北野が引っかかったのは「2億3000万円までいく間に誰かに相談してなかったのか?」ということです。

この女性は昨年11月から今年2月まで30回に渡り振り込んでいたようですが、その間、誰かに少しでも相談したら、詐欺が判明していた可能性は極めて高そうです。
そしてこうした「SNS型投資詐欺」は「オレオレ詐欺」「振込詐欺」に次ぐ、新たな闇社会のトレンドになっているようです。

被害額は昨年だけでも277億円。
新NISAができて、「個人も投資しないと損だ」という心理につけ込まれることも原因のようです。

お金が残ってない!

北野「自分の親がひとり暮らしだった場合、まめに連絡をとっていますか?」

ここで大阪で聞いた話を思い出す北野。

ある女性は、こどもさん方が東京に行ったために大阪でひとり暮らしをしていました。
それなりに裕福で近所付き合いもあったはずですが、彼女の葬式の時、まったくお金が残っていませんでした。

東京から戻った息子たちが通帳を見たところ、毎月多額の現金が引き落とされていたのがわかりました。
調べたところ、母親の家にはよく訪れる女性がいました。近所の人たちは介護の人だと思ってたようです。

息子たちは仕事が忙しく、親の財産のことは聞いてなかったそうで、母が亡くなった後の口座には5万ほどしか残っていなかったそうです。

家に来ていた女性に渡したのかどうかもまったくわからない。何か大きなものを買った形跡もありません。

北野「だからひとり暮らしをしているお母さんなどにまめに連絡をとっておかないと、怪しい人が話し相手に来て、こんな風になっていることもあるから、注意しないといけないです」

認知症になる前に

リスナーからこの話にリアクションが寄せられました。

「親の貯蓄の話ですが、3月に亡くなった母は自分に貯蓄がいくらあるか絶対言わない人でした。
けれど、身体が悪くなり自分で何もできなくなった一年半くらい前、急に自分の貯金はいくらあって、キャッシュカードの暗証番号も自分に言うようになりました。
そのおかげで病院代、施設の利用料を払うことができました。

遺言ではないけど『自分の遺産は孫にたくさんあげてくれ』と教えてくれたおかげで、比較的簡単に相続手続きはできました。

施設に入る前に認知症がかなり進んでいましたので、症状がひどくなる前にいろいろ教えてくれて助かりました」(Aさん)

氏田「伝えておくというのも終活のひとつですよね」

黒柳徹子さんから生前贈与?

実際、投資詐欺に遭いそうになった方もいます。

「義理の母が昨年末に、黒柳徹子さんの生前贈与詐欺に遭いそうになりました。
内容は『全国6名が選ばれて、各々1億円もらえる』というメールがきたそうです。選ばれし6名なので信じていた義理の母も、内緒話のように教えてくれました。

たまたま義理の母は入院中だったので、前金のビットキャッシュを購入して払うなど手続きが不可能だったため未遂でしたけど」(Bさん)

氏田「『選ばれし者』やから言えないんですね。怖いな」

優しくつけこむ

「昔の豊田商事商法と同じではないですか?
ひとり暮らしの高齢者に優しく身の回りの世話などして、信頼を得てからつけ入り本題へ。
時代は移り変わろうとも手口は変わってないのかもしれませんね」(Cさん)

「うちにも似たようなことがありました。おばですが、独身でひとり暮らし。おばの兄が亡くなったときにすべての財産を相続。多くの株や預貯金があったようですが、おばは突然死で亡くなりました。

コロナ下であまりおばに会ってなかったのですが、亡くなってから家にいくと、目新しい電化製品があふれています。

口約束ですが、亡くなったら私が株を相続する予定でしたが、蓋をあけたら株も現金もほとんど残っていません。なぜ?誰かにだまされていたのでしょうか。すべては闇の中です」(Dさん)

現代の怖い話です。
著名人になりすまし、SNSなどで勧誘する投資詐欺の被害は全国で相次いでいます。特に高齢者には家族などが注意をしてあげましょう。
(みず)