まるで“台風のような渦” 日本海には「寒冷渦」

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16日朝の衛星画像をみると日本海にはまるで台風のような渦を巻いた雲がみられます。けさにかけて急速に発達した低気圧です。この低気圧は上空の強い寒気を伴った寒冷渦(寒冷低気圧)と呼ばれるもので上空5500mには−21℃以下のこの時期としては強い寒気を伴っています。

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この低気圧と東シナ海にある高気圧との間で等圧線の間隔が狭くなっているため西日本では西よりの風が強まっています。沿岸部を中心に10m/sを超える最大風速(10分間平均)を観測している所が多くなっています。

また、明石(兵庫県)や浜田(島根県)、香南(香川県)などでは最大瞬間風速で25m/sを超える強風を観測しています。

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寒冷渦は上空の西風が南北に大きく蛇行して、流れが不安定となって、やがて千切れて渦を巻くようになったものです。その際に、流れの北側に入っていた強い寒気を閉じ込めるような形で渦を巻くために、上空に強い寒気の塊を伴っています。この寒冷渦は一般的には2〜4日程度の寿命があるとされています。

この寒冷渦は17日にあけて日本海を北東へと進み北日本を通過していきます。これに伴う低気圧の発達のピークはきょう朝で、その後やや勢力を弱めるものの日本海から北日本へと進む予想です。

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上空には強い寒気が入る一方で、低気圧に向かって上空の下層には暖かく湿った空気が流れ込むためです。低気圧や上空の風がぶつかる所では大気の状態が非常に不安定となります。

気象庁は「雷と突風及び降ひょうに関する全般気象情報」を発表しています。

西日本では16日、東日本から北日本では17日にかけて落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨、降ひょうに注意してください。