中国で21歳の男性が恋愛トラブルで川に飛び込み死亡したとの情報が流れ、その経緯を含めて大きな衝撃を与えている。

中国メディア・直播吧に2日掲載された記事によると、川に飛び込んだのは湖南省出身の21歳の男性。オンラインゲームに天賦の才があり、「胖猫(太った猫)」というハンドルネームの代理プレーヤーとして業界でその名をはせていたという。

「胖猫」は昨年、音声アプリを通じて重慶在住の28歳の女性と知り合った。コミュニケーションを取るうちに女性に恋心を抱くようになり、ネット恋愛に発展。愛情はさらに深まり、女性を妻にすることを決心した。一方で女性はたびたび「胖猫」に物をせびり、ある時には「花屋を開きたいから」といって10万元(約210万円)を振り込ませた。

「胖猫」は家族の反対を押し切って重慶に趣き、女性に結婚を申し込んだ。しかし女性は言動を二転三転させて「胖猫」を家に入れなかった。それでも「胖猫」は自ら質素な生活をしながら女性に貢ぎ続け、女性に振り込んだ金額は51万元(約1070万円)に及んだ。

そして今年3月になり、女性は「胖猫」に対して心理的虐待をするようになった挙げ句、別れようと要求したという。「胖猫」は最後に自分の持ち金6万6000元(約138万円)を全て女性に振り込んだ上で、4月に重慶市の長江大橋から川に飛び込み命を絶った。

「胖猫」が死亡した経緯を姉が公開したことで大きな注目を集め、ネット上では「胖猫」の悲しい死を悼むとともに、女性に対する批判の声が続々と寄せられた。女性は3日、「胖猫」への心理的虐待を否定するとともに、「別れ話はしたが、過激な行動を取られることを恐れてよりを戻した。彼と付き合っていたのは金銭目的ではない。最後は将来的なストレスになることを考えて、別れることを決意した。しばらく沈黙していたのは、彼の姉が証拠もなく自分を侮蔑する動画を公開し続けていたからだ」と反論する文章を発表したとの情報が流れ、その内容がネット上で拡散している。


「胖猫」が飛び降りたとされる長江大橋の現場には、多くの市民が花や食べ物を供えている。チャットアプリのアイコンに「野菜じゃなくマクドナルドが食べたい」と書かれていたことから、ファストフードも多く供えられている。

当局からの公式な発表はまだなく、「胖猫」の姉による告発内容も含めた一連の経緯についてさまざまな憶測や疑問の声が飛び交っているが、メーデー連休の中国国内に大きなインパクトを与えたことは間違いなさそうだ。(翻訳・編集/川尻)