Maria Martinez

[ベルリン 30日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が30日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比(季節調整後)で0.2%増だった。景気後退(リセッション)を回避した。

ロイターがまとめた市場予想(0.1%増)を上回った。建設投資と輸出が寄与した。

昨年第4・四半期のGDPは0.3%減から0.5%減に修正された。

第1・四半期のGDPは予想を上回ったが、エコノミストは引き続き、ドイツ経済の構造的な弱さが景気回復の重しになると指摘している。

ハウク・アウハウザー・ランペ・プリバトバンクのチーフエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は「好転ではなく、小幅な成長しか見込めない」と予想。

INGのマクロ担当グローバル責任者、カルステン・ブルゼスキ氏は「循環的な逆風に見舞われる可能性があるほか、ドイツ経済のよく知られた構造的な弱さが一夜にして消えることはなく、今年の回復ペースを制限するだろう」と述べた。

今年のインフレ率は鈍化する見通しだが、経済成長率は引き続き低迷すると予想されている。

ドイツ政府は先週、今年の経済成長率見通しを従来の0.2%から0.3%に上方修正した。インフレ率見通しは0.4%ポイント引き下げた。

労働市場は底堅く、実質賃金の上昇が見込まれており、個人消費が経済成長に寄与するとみられている。

30日発表の3月の小売売上高指数は前月比1.8%上昇。消費改善で予想を上回った。

ただ連邦統計庁によると、第1・四半期全体の家計消費は減少した。これ以上の詳細は明らかにしていない。

4月の失業者数(季節調整済み)は1万人増と、ロイターがまとめた市場予想(9000人増)を上回った。失業率(同)は5.9%で横ばい。連邦雇用庁は「ドイツ経済はこの2年間苦境にあるが、労働市場の状況は依然堅調だ」と表明した。