<為替> ドル/円が2.85%安の153.30円に下落した。その後は154円台を回復するなど荒い値動きとなっており、市場では日本の当局による介入との観測が出ている。

これより先にも、ドルは下落して推移していた。米連邦準備理事会(FRB)は利下げに動く前にインフレ低下が継続しているとの一段の確信が必要としたものの、利下げに傾いている姿勢を引き続き示したと市場で受け止められた。

FRBは4月30日─5月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。声明で「インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている。ここ数カ月間、委員会の2%のインフレ目標に向けてのさらなる進展はみられない」とした。

声明の内容はおおむね予想通り。パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で、FRBの次の動きが利上げとなる可能性は低いと述べたことで、FRBがタカ派姿勢に転じるとの懸念が和らいだ。

FOMCを受け、金利先物市場が見込む年内の利下げ幅は35ベーシスポイント(bp)。FOMC前は29bpだった。  

BNYメロン(ニューヨーク)の外国為替・マクロストラテジスト、ジョン・ベリス氏は「インフレ動向次第だがFRBは次の動きは利下げになると引き続き見ていることが示され、フォワードガイダンスに変化がなかったことはややハト派的だった」と指摘。「『インフレ目標に向けてのさらなる進展はみられない』という新たな文言がそれを相殺するに十分かは分からない」と述べた。 

主要6通貨に対するドル指数は0.44%安の105.85。一時は106.49と、4月16日以来の高値を付けていた。    

ドルは対円で0.33%安の157.28円。

フォレックスライブ(トロント)のチーフ外為アナリスト、アダム・バトン氏は「日本にとって選択肢は少ない。政府・日銀による介入は大方の外為トレーダーにとって、より良い水準で買いを入れるための誘いにすぎない」とし、「米経済が落ち着くまでドルは対円で上昇し続ける」との見方を示した。

ユーロは0.5%高の1.0718ドル。英ポンドは0.34%高の1.2532ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.97%安の5万8683.79ドル。一時は5万6483ドルと、2月27日以来の安値を付けた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが急低下した。FRBがバランスシートの縮小ペースを予想以上に減速させる方針を発表したことがサプライズとなった。    

FRBは1日まで開いたFOMCで金利据え置きを決定し、最終的には利下げに傾いているとの姿勢を引き続き示した。    

市場にとって大きなサプライズとなったのは、FRBのバランスシート縮小の減速が予想以上になったことだった。

6月1日から月間で最大600億ドルの米国債の縮小ペースを250億ドルに引き下げる一方、住宅ローン担保証券(MBS)の縮小ペースは月間350億ドルで維持するが、この上限を超える元本支払いを米国債に再投資する。

午後の取引では、指標となる10年債利回りは9.5bp低下し4.589%となった。2年債利回りは10.7bp低下の4.939%。   

FRB声明を受け、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBが年内に少なくとも1回の利下げを実施するとの見方が強まった。11月の利下げ開始確率が最も高くなった一方、9月利下げ開始確率は約50%となった。FRBが年内に利下げを全く実施しない確率は約24%と、FOMC前の約27%から低下した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> まちまち。FRBは1日まで開いたFOMCで予想通り金利を据え置いた。次の動きは利下げになる可能性が高いことを示唆したが、「ここ数カ月間、2%のインフレ目標達成に向けたさらなる進展はみられない」という認識を示した。

FOMC後の記者会見でパウエル議長は、インフレ率を目標の2%に戻すことに引き続き注力している姿勢を示し、その目標に向けた進展に言及、利上げが間近に迫っているとの見方を否定した。

オマハのカーソン・グループのチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「パウエル議長はインフレが依然として問題であることは認めたが、今後数四半期で改善するとの楽観的な見方を維持した」と指摘し、「きょうの上昇のきっかけは、議長が次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低いと述べたことだ」と説明した。

個別企業では、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が9.0%下落した。AI(人工知能)向け半導体の売上高見通しが嫌気された。

AI向けサーバーを製造するスーパー・マイクロ・コンピューターは、四半期売上高が予想を下回り、14%下落した。フィラデルフィア半導体指数 も3.5%下落した。

アマゾン・ドット・コムは2.2%上昇。前日発表した四半期決算は売上高が市場予想を上回った。

スターバックスは、売上高見通しの下方修正を受けて15.9%下落した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> FRBの金融政策発表を控え、持ち高調整の売り買いが中心となる中を反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比8.10ドル(0.35%)高の1オンス=2311.00ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ガザ休戦合意への期待に加え、予想外の在庫積み増しとなった週報の発表を受けて売りが膨らみ、3営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.93ドル(3.58%)安の1バレル=79.00ドル。中心限月ベースで3月中旬以来約1カ月半ぶりに80ドルを割り込んだ。7月物は2.84ドル安の78.44ドルだった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 154.47/154.    

50

始値 157.90    

高値 157.96      

安値 153.19      

ユーロ/ドル NY終値 1.0709/1.07    

13

始値 1.0667    

高値 1.0732      

安値 1.0668      

         

  米東部時間      

30年債(指標銘柄) 17時05分 91*30.0 4.7587%

0

  前営業日終値 91*15.5 4.7890%  

0

10年債(指標銘柄) 17時05分 95*00.0 4.6407%

0

  前営業日終値 94*21.5 4.6840%  

0

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.0 4.6604%

0

  前営業日終値 99*18.2 4.7230%  

5

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.3 4.9685%

8

  前営業日終値 99*21.7 5.0460%  

5

         

   終値 前日比 %  

ダウ工業株30種 37903.29 +87.37 +0.23

 前営業日終値 37815.92      

ナスダック総合 15605.48 -52.34 -0.33

 前営業日終値 15657.82      

S&P総合500種 5018.39 -17.30 -0.34

 前営業日終値 5035.69      

         

COMEX金 6月限 2311.0 +8.1  

前営業日終値 2302.9      

COMEX銀 7月限 2674.8 +9.4  

前営業日終値 2665.4       

北海ブレント 7月限 83.44 ‐2.89  

前営業日終値 86.33      

米WTI先物 6月限 79.00 ‐2.93  

前営業日終値 81.93      

CRB商品指数 285.4422 ‐6.0205  

前営業日終値 291.4627