[パロアルト(米カリフォルニア州) 3日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は3日、四半期に1回公表する米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの金利見通し「ドットチャート」について、各メンバーの経済見通しを含めるなどして内容を充実化させるべきだと指摘した。

ドットチャートは、メンバーの政策金利予想水準を点(ドット)で示す。直近3月のドットチャートは、中央値では年内3回の利下げを想定していることを示したが、約半数のメンバーがそれより少ない回数を予想し、1回限りやゼロと予想するメンバーもいた。

グールスビー氏はスタンフォード大学フーバー研究所での会合で、「ドットチャートは経済的内容を欠いた単なる意見の集合だ」と述べた。

例えばあるメンバーが今年の利下げ予想を後退させた場合、それが経済の過熱を恐れているからなのか、それとも単に経済がより速く成長することが可能で、高めの金利に耐えられると考えているためなのか、分からない。

グールスビー氏は、連邦準備理事会(FRB)のコミュニケーションの目的は政策決定の根拠を示すことで、ドットチャートでは不十分だと考える。

「(ドットチャートは)メンバーがその金利水準を正当化すると考える経済状況と結びつけることができず、メンバーがなぜその金利を妥当な選択と考えているのか示すものは何もない」とした。

その上で「匿名ベースで各メンバーの経済予測と金利パスを照合するマトリックスがあれば、一定の重要な疑問に答えることができるだろう」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、ECB版ドットチャートを公表することを提案している。