Hiroko Hamada

[東京 27日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比253円91銭高の3万8900円02銭と、反発して取引を終えた。前週末の米市場でハイテク株が上昇したことを好感し、東京市場でも指数寄与度の高い銘柄の一角が買われ、相場を支えた。材料難で上げ幅を縮小してもみ合う場面もあったが、後場後半には再び買いが強まり、高値引けとなった。

日経平均は前営業日比120円高と底堅くスタートした後、上げ幅を縮め、前場中盤に21円高まで値を消す場面があった。企業の決算発表が終わり手掛かりが少ない中、今晩は米市場が休場となるため、「積極的な買いが入りづらい」(国内証券・ストラテジスト)との指摘もあった。一方、後場に入ると値がさ株や主力銘柄の一角がしっかりと推移し、日経平均は大引け間際に再び上げ幅を拡大した。

午後の円債市場では新発10年国債利回り(長期金利)が前営業日比1.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.020%と、2012年4月以来12年ぶりの高水準をつけ、その後1.025%まで上昇。セクター別では保険株が堅調に推移した。

足元の日経平均は、3万8000円台を中心とした値動きが続いている。企業決算では会社側の慎重な業績見通しが確認されたことに加えて、日銀の追加利上げの思惑がくすぶる中、「やや上値を追いづらい」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との声が聞かれた。一方、及川氏は「日経平均は4月に3万6733円で安値を付けて以降、着実に水準は切り上がっており、下値は堅いとみている」と話した。

TOPIXは0.87%高の2766.36ポイントで取引を終了。プライム市場指数は前営業日比0.87%高の1423.92ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は3兆3847億4800万円だった。東証33業種では、保険、海運、非鉄金属など31業種が値上がり。水産・農林、倉庫・運輸関連は値下がりした。

個別では、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、アドバンテストがそれぞれ1%超高と、指数寄与度の高い銘柄がしっかり。トヨタ自動車も1%超高。一方、東京エレクトロンは小幅安で軟調だった。

MS&ADインシュアランスグループホールディングス、東京海上ホールディングスはそれぞれ3%超高と堅調。メガバンク株は三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループがそれぞれ1%超高だった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.89%高の613.54ポイントと、反発した。

プライム市場の騰落数は、値上がり1072銘柄(65%)に対し、値下がりが521銘柄(31%)、変わらずが56銘柄(3%)だった。