最大10連休ともいわれた今年のゴールデンウイーク(GW)。暦ではきょうで3日目、「日常」への切り替えは無事お済みですか? それとも近年の春はあっという間で気温が高く、〈力無き あくび連発 日の盛り〉(高浜虚子)ですか?◆4月下旬、休日を前にした世間の浮かれ気分に「GWのWはワーク(仕事)ですよ」。苦笑いの中に充実感もにじませて話してくれたのは唐津市の平田憲市郎さん(44)。祖父の代から70年以上続くカーネーション農家だ。そう、12日は「母の日」である◆県内有数の規模のハウス約60アールで栽培する。全国の家庭に届ける時期から逆算し、花のボリュームや開くタイミングなど徹底した管理の日が続く。コロナ禍ではイベント需要が激減。唐辛子栽培にも乗り出し「危機からようやくトンネルを抜け出せそうです」◆厚生労働省によると、職業は1万8千種以上に分類されるという。行楽に限らず「2024年問題」でクローズアップされる物流・運送業界などはもちろん、ライフラインや日々の笑顔を多くの人が支えている。暦とは関係ないほか、昼夜逆転もある◆「ありがとう」のひと言が口に出せない弁解に聞こえそうだが、〈最高の感謝とは、言葉にすることではなく、その気持ちを胸に生きていくこと〉(ジョン・F・ケネディ)。自戒を込めて。(松)