衆院3補選で唯一の与野党対決となった島根1区の選挙戦最終日の27日、岸田文雄首相(自民党総裁)と立憲民主党の泉健太代表が島根入りし、党首による2度目の「直接対決」を繰り広げた。岸田政権の行方を左右する注目区で勝利をつかもうと、大票田・松江市で最後の訴えに声をからした。

 21日に続いて2度目の島根入りとなった岸田首相は自民新人の錦織功政候補(55)の応援マイクを握り、同市八幡町の武内神社前広場で支持者を前に「選挙戦は激しく、苦しい状況が続いている。保守王国・島根の力で何としても大逆転を果たさせていただきたい」と支持拡大を要請。自民派閥の政治資金パーティーの裏金事件を踏まえた政治への信頼回復に取り組む姿勢を示しながら「自民党は変わらなければならない。党改革ののろしを、ここ島根から上げていただきたい」と訴えた。

 告示前を含めて6度目の島根入りとなった泉代表は、松江市学園南1丁目のくにびきメッセであったメーデー後に街頭に立ち、「島根1区が政治改革の発火点になる。ここでの勝利で政治改革に火がつくかどうかが決まってくる」と強調した上で、自民の裏金事件の真相究明は遅く、処分が甘いと批判。人口減少が進む県内の課題に触れながら「自民党の政治で島根が30年間、元気でいられたのかも今回の争点だ」と強調し、立民元職の亀井亜紀子候補(58)への支持拡大を求めた。

 岸田首相、泉代表とも松江市内であった候補の最後の訴えに姿を見せ、衆院3補選の戦いを終えた。