大石賢吾知事と宮島大典佐世保市長は9日、県庁で県市政策ミーティングを開き、来年10月開催予定の国際自転車ロードレース「ツール・ド・九州」を同市に誘致する方針で合意した。国が昨年末に不認定としたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備計画に代わる県北振興策の一つと位置付け、県市が連携して開催を目指す。
 ツール・ド・九州は九州経済連合会(九経連)などで構成する実行委員会が主催。県と佐世保市が誘致する準備を進めていた。
 ミーティングは非公開。終了後の取材に大石知事は「佐世保には素晴らしい街並みがある」と述べ、市街地を中心に複数のコースを提案する考えを示した。宮島市長はIR誘致で九経連の協力を受けた経緯に触れ、「不認定で落胆した市民を明るくしたい。IRのレガシー(遺産)、九経連との縁を次につなげたい」と述べた。
 2023年10月に開かれたツール・ド・九州第1回大会では初日に北九州市で周回レース「クリテリウム」(約45キロ)があり、その後の3日間は福岡、熊本、大分の3県を転戦するロードレース(計約380キロ)で競った。8カ国18チームが参加。沿道で計8万8300人が観戦した。
 県は佐世保市でクリテリウムを実施する方針。一般社団法人ツール・ド・九州に近く開催の意向表明書を提出。実行委が国際自転車連合(UCI)に国際レースとして申請することを協議し、UCIの認定を得れば佐世保開催が決まる。
 ミーティングでは、佐世保の基地を生かしたまちづくりも協議した。