「第74回全国植樹祭」(26日・岡山市)にちなみ、岡山県立美術館(同市北区天神町)は自然をテーマにした収蔵品展「岡山の美術展」を開いている。江戸時代から現代まで、郷土出身の日本画家が草木をモチーフに描いた日本画約20点が、会場を爽やかに彩っている。26日まで。

 森山知己さん(66)=岡山県吉備中央町=の屏風(びょうぶ)画「醍醐の桜」(2015年)は、はかなげな花びらと巨木の生命力との対比が際立ち、初夏の田園を描いた森谷南人子(1889〜1981年、笠岡市出身)の「五月霽(ばれ)」は、豊かな自然と人間の営みの調和を伝える。浦上春琴(1779〜1846年、岡山市出身)の「名華鳥蟲(ちゅう)図」は、四季の草花とともにチョウやバッタといった小さな生命の躍動を感じさせる。

 同祭は、国土緑化運動の中心行事。橘凜学芸員は「この貴重な機会に、岡山ゆかりの画家の視点を通して自然の美しさを再認識してほしい」と話している。