岡山県原爆死没者慰霊祭(県原爆被爆者会主催)が1日、岡山市内であり、被爆者や遺族ら約30人が犠牲者を追悼し、核兵器廃絶に向けて決意を新たにした。

 2023年度に亡くなった県内の67人を含む原爆物故者に黙とうし、広信靖之会長(80)=同市南区=が「原爆がもたらした地獄を繰り返してはならない。一日も早く平和な世界になることを祈る」と述べた。参列者は祭壇に白菊を手向けた。

 学徒動員先の広島市で被爆した義母をおととし亡くした女性(74)=岡山市=は「路上や川に遺体が折り重なっていたと惨状をありのまま聞かせてくれた。戦争がなくなるよう、寄付などできることをしたい」と涙ぐんだ。

 慰霊祭は1992年から毎年開かれている。県内で被爆者健康手帳を持つ人は884人(3月末現在)で、平均年齢は86・5歳。