日本のオリンピック8回連続出場、おめでとうございます。

 韓国やサウジアラビア、オーストラリアが次々に敗退したU-23アジアカップで、大岩剛監督が率いるU-23日本代表は準決勝でイラクを2−0で撃破。順当にパリ五輪出場を決めたのはさすがだ。

 準々決勝のカタール戦を乗り越えた自信のせいか、日本はイラクをあらゆる面で圧倒した。イラクはゴール前を固めて失点を防ぎにきたが、カタール戦より多くのチャンスを作り、前半に2ゴールを挙げて有利に試合を運べた。

 日本は多彩な攻撃オプションを生かして攻略した。両サイドから20番(平河悠)と11番(山田楓喜)が素早く仕掛け、FWの細谷(真大)の後方からは17番(松木玖生)と13番(荒木遼太郎)が状況に合わしたポジショニングと連係プレーで相手のブロックを崩した。
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 最も輝いていた選手はやはり8番の藤田(譲瑠チマ)だ。アンカーの役割をほぼ完璧にこなした。ビルドアップの起点になって、攻撃の方向とテンポを状況に合わせて決める能力は素晴らしかった。中盤で無双し、クリエイティブなパスから日本の2ゴールをアシストした。韓国代表のファン・インボム(レッドスター)に似ていて、プレーを見るのが楽しかった。

 あえて一つだけ言わせてもらうなら、自らもゴールを積極的に狙って欲しい。激しいプレッシャーをくぐり抜けてせっかくボックスまで行ったのに、もっと完璧なチャンスを作ろうとしてチームメイトにパスを送るのはもったいない。シュートとパスにバリエーションを加えることによって、相手のマークを混乱させることができる。

 元イタリア代表のアンドレア・ピルロも自分で直接ゴールを狙う場面が少なくなかった。チャンスを作ることだけに執着する必要はない。サッカーはゴールを決めれば、主役になれる。もっとシュートを狙えば、より驚異的なMFになれると思う。

 グループステージで無得点だった細谷も、カタール戦、イラク戦と連続得点を挙げて貢献した。チームが一番欲しい時にゴールを決めるのが、ストライカーの仕事だ。今シーズンは開幕してから、所属クラブでも無得点が続いていたから、この連発はチームにも自身にもウェルカムなニュースだろう。
 
 本大会に向けて、日本はもう少し決定力を上げなければならない。今大会の日本は5試合で全てゴール期待値より、実際の得点が少なかった。イラク戦でも期待値は2.94xGだった。

 スタイルの違いもあるが、韓国はUAE戦を除いて4試合で実際の得点が期待値より多かった。本大会では、もっとチャンスの数は少なくなるはずで、確実に仕留める必要があるだろう。
 
 決勝で対戦するウズベキスタンは今大会、最高のパフォーマンスを見せてきたチームだ。日本よりは直線的なスタイルだが、テクニック、フィジカル、組織力、全てが高い水準に達している。このウズベキスタンの黄金世代は今後10年、韓国や日本の脅威になると思う。

 オリンピックのチケットをすでに獲得したという満足感から離れ、絶対に優勝したいとう気持ちで上回ったチームがトロフィーを掲げると思う。残念ながら、韓国ではウズベキスタンを応援するファンが多いと思うけれど(笑)。

文●ホン・ジェミン(フリーランス)

【著者プロフィール】
英サッカー専門誌『Four Four Two』韓国版の編集長など経てフリーに。2024年のアジアカップでは日本戦も全試合取材。韓国代表ファン・ヒチャンの自宅で独占インタビューを行なうなど選手の信頼も得ている。
 
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