女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は23日、第39話が放送された。話題のシーンを振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 第39話は、講演会で倒れてしまった佐田寅子(伊藤沙莉)。雲野六郎(塚地武雅)らは穂高重親(小林薫)から寅子の事情を聞き、今は育児専念の時だと諭した。寅子は山田よね(土居志央梨)が働くカフェー「燈台」へ。よねは町の法律相談を担っていた。寅子は妊娠を黙っていたことをわびるが、よねは背を向け…という展開。

 穂高は雲野らに寅子の妊娠を伝えてしまっていた。「私も、やれるだけのことはするから。おまえは1人じゃない」と寄り添うつもりだったよねは寝耳に水。「は?」――。事務所を飛び出してしまう。

 寅子「怒ってるわよね?」「黙っていたことは謝る。ごめんなさい。無責任だって言いたいんでしょ」

 よね「勝手に使命感に燃えて、辞めていった仲間の思いをだなんて、くだらないと思っていた。別に結婚したけりゃすればいい。子どもが産みたきゃ産めばいい、勝手にしろ。いちいち悲劇のヒロインぶりやがって」

 寅子「悲劇のって。私そんなつもりじゃ」

 よね「自分1人が背負ってやってるって顔して恩着せがましいくせに、ちょっと男どもに優しくされたらホッとした顔しやがって!おまえには男に守ってもらう、そっちの道がお似合いだよ」

 寅子「じゃあ、私はどうすればよかったの?」

 よね「知るか。心配ご無用。女の弁護士は必ずまた生まれる。だから、こっちの道には二度と戻ってくんな」

 寅子「言われなくてもそのつもりよ」

 2人の友情には涙とともに決裂した。

 寅子は雲野の事務所に辞表を提出。猪爪はる(石田ゆり子)に「お母さんが言っていた通り、歩いても歩いても、地獄でしかなくて。私なりに頑張りました。けれども、降参です」。自分の部屋に戻ると、六法全書を整理。慟哭した。

 「こうして、寅子の地獄の日々は、幕を下ろしました」(語り・尾野真千子)

 SNS上には「本人の許可なく言っちゃうんだ、穂高先生。当時は穂高先生でもこんな感じなのか」「よねさんの気もちも分かるんだよ。何も言ってもらえなくて1人で悩んでたから置いていかれた気持ちじゃないのかな。2人の立ち位置が違うから戦い方も違うんだよ」「子を持つことが友や仕事との分断に直結するの、エグすぎる」「まだ産休という概念自体がないのかな…つらい」「これからの方が地獄じゃないかな?本当にやめてよかったの?って、後悔の地獄」などの声が上がった。