大相撲の横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)は夏場所(12日初日、東京・両国国技館)の出場可否について結論持ち越しとなった。9日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で稽古に参加。両膝にサポーターを施し、十両・伯桜鵬(20)に稽古をつけて汗を流した。

 両膝に故障を抱える照ノ富士は昨年名古屋場所から腰痛にも苦しんでおり、春場所は7日目から途中休場。春巡業で実戦稽古を再開するなど調子を上げていたところで今度は左脇腹を痛めた。今月2日、咳をした時に痛みが走ったという。「ずっと筋肉が固まっていた部分を急激に痛めた。違和感はずっとあったけど大丈夫だろうと思っていたら、ちょっとしたことでこうなった」。症状は軽い肉離れで、現在も痛みは残っているという。

 この日の稽古では伯桜鵬に胸を出しながら、実戦に近い動きも交えて感触を確認。「良くはないんじゃない?」と不安を口にしつつ「まだ2日ある」と出場に向けて最後まで調整していく姿勢を見せた。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は「トレーニングはしていても(実戦)稽古ができていない。序盤に良い形で相撲が取れれば動きも良くなってくるのでは。最初が肝心じゃないですか。ぶっつけ本番しかない」と出場を前提とした上で不安要素も挙げた。この日の稽古後に師弟で話し合い、取組編成会議前の10日朝までに最終判断を下す。