◇大相撲夏場所初日(2024年5月12日 両国国技館)

 大相撲夏場所は12日、東京・両国国技館で初日を迎え、横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)は新小結・大の里(23=二所ノ関部屋)にすくい投げで敗れ、痛恨の黒星発進となった。いきなり上位陣に土がつく波乱の初日となった。

 両膝に故障を抱える照ノ富士は昨年名古屋場所から腰痛にも苦しみ、今年の初場所で復活優勝を果たすも春場所は途中休場していた。さらに今月2日、左脇腹を負傷。本人によると軽い肉離れで、咳をした時にもともと違和感があった患部に痛みが走ったといい、夏場所の出場が危ぶまれていた。

 万全の状態ではない中、なんとか夏場所に合わせて仕上げた照ノ富士。両膝にテーピングを固めて出場した大の里との一戦はすくい投げで敗れた。

 

 また、初日で注目を集めた「若手VS上位」の対戦。自己最高位で迎える西前頭2枚目の豪ノ山(26=武隈部屋)は大関・霧島(28=音羽山部屋)を押し出して白星。東前頭2枚目の平戸海(24=境川部屋)も先場所を途中休場した大関・貴景勝に押し出しで快勝した。

 注目の大関・琴桜(26=佐渡ケ嶽部屋)は西前頭筆頭の大栄翔(30=追手風部屋)相手に踏ん張ることができず押し出され痛恨の黒星。自己最高位を更新してきた東前頭筆頭の熱海富士(21=伊勢ケ浜部屋)は大関・豊昇龍(24=立浪部屋)に上手投げで勝利。初日にして4大関全員に土がつくことになった。

 新入幕対決となった時疾風(27=時津風部屋)と欧勝馬(27=鳴戸部屋)の一戦は欧勝馬が寄り切りで白星スタートを切った。

 春場所で史上最速優勝を果たした尊富士(25=伊勢ケ浜部屋)が「右足関節外側靱帯損傷」で、4月25日の春巡業木更津場所で負傷した小結・朝乃山(30=高砂部屋)は「右膝関節内側側副靱帯損傷」により約3週間の安静加療を要する見込みとの診断書を公表して、それぞれ休場した。