◇交流戦 楽天5ー3広島(2024年6月16日 楽天モバイル)

 楽天が16日、交流戦最終戦で広島に勝利。交流戦13勝5敗で勝率・722とした。この日、同率首位だったソフトバンクが阪神に敗れたため、球団創設20年目の節目で初の交流戦優勝が決まった。チームは13年のリーグ制覇、日本一に続くタイトルで、就任1年目の今江敏晃監督(40)は最年少の交流戦優勝監督となった。

 広島に勝利してから約40分後、ソフトバンクの敗戦で楽天の交流戦初優勝が決まった。この日のヒーロー・鈴木大地内野手(34)は「阪神もホークスも一生懸命プレーしてるので。どっちが勝ってほしい負けてほしいというのを考えないで、僕らは今日やりきった。それでいいのかなと。あとは終わって結果出て優勝したら喜びますし、ダメだったらまた後半戦頑張ろうでいいかなと思うので」と話したところに、その人柄が垣間見えた。

 「4番・一塁」で先発出場すると、3ー0の3回無死一塁の場面で迎えた第2打席で、広島先発アドゥワの5球目、142キロ直球をライトスタンドに叩き込んだ。満員の本拠の大歓声を浴びながらガッツポーズで喜びをあらわにした。

 「追い込まれていたので、なんとかつなぎたいと思ってましたけど、自分でもびっくりしてますし、凄くうれしいです。ホームランを打ったんで、4番らしいことをしたのかなとか思っちゃいますけど、また今江監督にね、勘違いするなって言われるので。しっかり切り替えます」と笑顔を見せた。

 これが12球団制覇の本塁打となり、「広島戦だけ出てないっていうのは毎年チラッと言われてて知ってはいたんですけど、狙って出るものではないので。そういう巡り合わせがあって打てたこともそうですし、凄くいいタイミングで出たのが自分にとって大きかった。まあ特別な記録ではないのでそっと心の中にしまっておきます」と控えめに語った。

 交流戦に入り、チームは好調。最大9あった借金を完済し、31勝31敗1分けと勝率5割に戻した。「不思議な感じで、勝てる時は何しても勝てるなって思うんですけど、なかなかうまくいかないところも正直あった。勝つことでチームって前に進んでいけると思うので、今日みんなで勝てたことが大きかったですし、借金もちょうどゼロになったので、もう一回スタートという形で後半戦入れるので、よかったのかなと思います」とチームの雰囲気も良好。

 交流戦から4番に座り、チーム浮上の原動力となったが、「普段打たない打順を打ってるので、とにかく地に足つけて自分らしくやろうと毎日自分に言い聞かせてプレーしてました。打つべき人が戻るのでそのうち。それまでつないでいこうと思ってます」と、ここでも控えめだった。

 交流戦初優勝の勢いに乗って、再びリーグ戦へ。「ここから勝負になると思いますし、まだまだ上を狙える順位に来られたので、ヨーイドンでコケないように頑張りたいと思います。特に小郷を中心に若い子達が凄く前向きなプレーだったり結果を出してくれて、それに僕らは負けるもんかと思ってやってる雰囲気はあるので。凄くチームがいい方向に向かってるなっていうのは感じます」。チームの確かな成長に手応えを感じつつ、リーグ戦へリスタートを切る。