レッドソックス上沢直之投手が2日(日本時間3日)、本拠地でのジャイアンツ戦でメジャーデビューを果たした。2点ビハインドの8回から5番手としてマウンドに上がり、初登板。2回を投げて無安打無失点1奪三振で、6人を完璧に抑えた。チームは1−3で敗れたが、ブルペンに頼もしいメンバーが加わった。

■勝負球のスプリットが効果発揮

初めてメジャーのマウンドへ上がった上沢。先頭から三邪飛、三飛に打ち取ると、4番マイケル・コンフォート外野手は87マイル(約140キロ)のスプリットで空振り三振に仕留めた。

3者凡退に退けてベンチに戻ると、負傷者リスト(IL)入りしている吉田正尚外野手らチームメートにハイタッチで迎えられた。

2イニング目となる9回も遊ゴロ、ニゴロ、遊ゴロで3者凡退。結局2回を無安打無失点1奪三振という好内容でメジャー初登板を終えた。

投じた19球のうち14球がストライクで、直球の最速は92マイル(約148キロ)。打者6人に対して、決め球はすべてスプリットを選択。カーブも駆使した変幻自在な投球が光り、打球は外野に1度も飛ばなかった。

この快投に対して、地元放送局『NESN』は「レッドソックスの新人がメジャーデビューで歴史を作る」と称賛し、「アレックス・コーラ監督の期待に応えた」と伝えた。

■緊張したけど……「素晴らしい経験」

そのコーラ監督は試合後、メジャーデビューした右腕について「彼はいつでもストライクが投げられる投手だ。速球のスピードは驚くほどではないが、17、18インチ(約43センチ〜約46センチ)くらい動くので打者は打ちにくいはず。彼は立派なメジャーリーガーだ。試合をコントロールする良い仕事をした」と賛辞を贈った。

アンドリュー・ベイリー投手コーチも「デビュー戦でウワサワ以上の投球を見せることは難しい。素晴らしかった。本当に素晴らしかった」と指揮官に同調した。

米メディアなどの取材に応じた上沢は「すごく緊張した」と話しつつ「素晴らしい経験だった」と振り返った。自身の投球については「(これまで)スプリットをストライクゾーンに投げることを練習してきた。今日はチームと一緒に取り組んで来たことを発揮することができた」と話し、安堵の表情を浮かべた。そして、「チームはイニングの途中から投げることも期待していると思うので、どんな展開でも長いイニングを投げられるように最善を尽くしたい」という力強い言葉で締めくくった。

前日には山本由伸投手(ドジャース)、前田健太投手(タイガース)、今永昇太投手(カブス)と背番号「18」を背負う3人の日本投手が揃って勝利を挙げたが、レッドソックスの背番号「39」にも注目が集まりそうだ。