東日本大震災の津波で児童ら84人が亡くなった宮城県石巻市の大川小学校の近くで、鎮魂と復興への願いを込めて植えられたサクラがあります。遺族らが14日、このサクラのせん定作業を行いました。

大川小学校がある釜谷地区では14日、オオヤマザクラの剪定作業が行われました。

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元大工の阿部良助さん(76)。震災前、この地区に住んでいて大川小を襲った津波で2人の孫を亡くしました。

阿部良助さん:
「亡くなった子どもたちと地域の人たちに会えるよう。みんなが魂を継いで花が咲いてくれるような思い」

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阿部さんは震災があった年の秋から、長野県の支援団体の協力を受け、鎮魂と復興への願いを込めてサクラを植えてきました。

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阿部良助さん(2015年4月20日の取材):
「鎮魂の桜、御霊鎮めということで始まったことだけど、たぶん孫達は(思いを)分かっていると思います」

以降、毎年この時期になると、ボランティアの手を借りて枯れた枝を取り除くなど手入れを続けています。これまでに植えたのはおよそ280本。開花の時期にばらつきがあるというオオヤマザクラですが、震災から14度目を迎えたこの春も、しっかりと花を咲かせました。

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長野県からのボランティア:
「鎮魂のためなのでそういう思いを込めて植えている。(開花は)日当たりによって違うがそれぞれよく育っている」
阿部良助さん:
「亡くなった人の魂を継いでいくという気持ちでやっている。1本でも大切にしなければと頑張っている」

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見ごろを迎えた鎮魂のオオヤマザクラ。阿部さんはこれからも成長を見守り続けます。