世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」をPRしようと県と佐渡市は世界遺産委員会を構成する国の外交官を招きツアーを開きました。県は、佐渡の魅力は伝わったと手ごたえを口にする一方ある懸念も浮かび上がっています。

佐渡市相川地区にやってきたバス。降りてきたのはベトナムやメキシコなどの外交官です。

「佐渡島の金山」の世界遺産登録へ・・・県と佐渡市が登録の審議にあたる世界遺産委員会を構成する国の外交官を招いたツアーを企画したのです。

日本最大級と言われた佐渡金銀山。

江戸時代からの約400年間で金78トンを産出しました。

その名残を体験してもらおうとやってきました。川底を見立てた砂から小さな金を見つける砂金採り体験です。

1億5000万円ほどの価値がある本物の金塊に触れながら佐渡と金の繋がりを感じていました。

「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録をめぐっては、ことし7月、インドで開かれる世界遺産委員会で登録の可否が判断される見通しです。

世界遺産委員会を構成する国は日本含めて21か国。今回、このうち11か国を招いて歴史やその価値をPRしました。

400年前に金の採掘が行われた坑道が残る「史跡 佐渡金山」。

外交団)「掘るのは難しかった?」

担当者)「1日に掘れる距離は15センチくらい」

どのように金を掘り進めていたのか興味津々の様子でした。

世界に誇れる価値がある…そう、県も佐渡市も胸を張りますが、懸念も浮き彫りとなりました。

この日、外交団が訪れたのは「佐渡島の金山」の構成資産のひとつ「西三川砂金山」です。

笹川の景観を守る会 金子一雄会長

「砂金山は約150年前に閉山しましたが農業へ転換しましたけども、居住の跡地、住居の形態等、砂金採りをしていた当時の面影を現在も残しております」

「西三川砂金山」のある笹川集落には当時の遺跡などを伝える看板はあるものの、観光客向けの施設はありません。

そのため遺跡の価値が、一見しただけでは分かりづらいというのです。

笹川の景観を守る会 金子一雄会長

「一番心配しているのは一人で来て何もないってなって、西三川行っても何もないよという話が広がると 残念だなと思っています」

そのため、ガイドと一緒に現地を訪れるのが一番いいといいますが、集落でガイドは5人・・・さらに・・・

笹川の景観を守る会 金子一雄会長

「一番の問題は外国人が来た時には誰もしゃべれないので英語、中国語をそこはどうしようもないですね」

今回のツアーでは遺跡の価値を説明できましたが、今後はどう受け入れ態勢は整備していくのかまだ課題は残っています。