NBAは現地5月21日、プレーオフのカンファレンス決勝がスタートし、イーストではボストン・セルティックスがインディアナ・ペイサーズに先勝。明日はウエストの決勝、ミネソタ・ティンバーウルブズ対ダラス・マーベリックスの初戦が行なわれ、以降は1日ずつ東西のファイナルが繰り広げられていく。

 リーグは近年、史上稀に見る戦国時代に突入している。ウエスト準決勝で昨季王者のデンバー・ナゲッツが敗れたことで、2019年から6年連続で異なるチームがチャンピオンとなることが決定した。これは78年間の歴史で、1975〜80年以来2度目の出来事だ。

■2019〜24年のNBA優勝チーム
※カッコ内は各チームにおける優勝経歴

2019年:トロント・ラプターズ(初)
2020年:ロサンゼルス・レイカーズ(10年ぶり17回目)
2021年:ミルウォーキー・バックス(50年ぶり2回目)
2022年:ゴールデンステイト・ウォリアーズ(4年ぶり7回目)
2023年:デンバー・ナゲッツ(初)
2024年:セルティックスorペイサーズorウルブズorマーベリックス

■1975〜80年のNBA優勝チーム
※カッコ内は各チームにおける優勝経歴

1975年:ゴールデンステイト・ウォリアーズ(19年ぶり3回目)
1976年:ボストン・セルティックス(2年ぶり13回目)
1977年:ポートランド・トレイルブレイザーズ(初)
1978年:ワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ/初)
1979年:シアトル・スーパーソニックス(初)
1980年:ロサンゼルス・レイカーズ(8年ぶり7回目)
  1946年に前身リーグのBAAが創設されたNBAは、最初の8年間で5度の頂点に立ったレイカーズを皮切りに、各年代で一定のチームが王朝を築いてきた。

 57年から69年にかけてはセルティックスが8連覇を含む11回の優勝を飾り、アメリカスポーツ史に残る偉業を達成。80年代はレイカーズが5回、セルティックスが3回と、9年間で東西の名門が8度頂点に立つ2強時代だったが、その狭間の時期が70年代後半だった。

 90年代はマイケル・ジョーダン擁するシカゴ・ブルズが2度の3連覇を成し遂げ絶対的な地位を確立。2000年代はレイカーズが3連覇+2連覇で優勝5回、サンアントニオ・スパーズも連覇こそ達成できなかったが、優勝5回(1999年と2014年の優勝を含む)と一時代を築いた。

 2010年代に入るとレブロン・ジェームズを獲得したマイアミ・ヒートが連覇を含め4年連続でファイナルに進出。レブロンはクリーブランド・キャバリアーズ移籍後の4年と合わせて8年連続でファイナルに進んだ。その“キング”の前に立ちはだかったのがステフィン・カリー擁するウォリアーズで、15〜19年に5シーズン連続でファイナルに進み、うち3度の栄冠を手にした。

 そのウォリアーズが連覇した17、18年を最後に、毎年異なるチャンピオンが乱立する戦国時代に突入したNBA。ウルブズとペイサーズは優勝すれば球団初、セルティックスは16年ぶり、マブズは13年ぶりの頂点を目指す。

 現地メディア『CBS Sports』は、「ウォリアーズとキャバリアーズが4年連続でファイナルで対戦していた頃に文句を言っていたファンは、今頃パーティーを開いているに違いない」とし、「(戦力の均衡)はリーグにとって良いことだ」と記している。

 約1か月後、最後に笑っているのはどのチームだろうか。

構成●ダンクシュート編集部

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