NBAのプレーオフは5月21日(日本時間22日)にカンファレンス・ファイナルが幕を開け、イースタン・カンファレンスではボストン・セルティックスが延長の末に133−128でインディアナ・ペイサーズを下し、シリーズ成績を1勝0敗とした。

 翌22日にはウエスタン・カンファレンスの頂上決戦がスタートし、第3シードのミネソタ・ティンバーウルブズと、第5シードのダラス・マーベリックスが対戦する。

 ウルブズはファーストラウンドでフェニックス・サンズをスウィープ(4連勝)で退け、カンファレンス・セミファイナルでは昨季王者デンバー・ナゲッツを4勝3敗で下した。

 一方のマブズは1回戦でロサンゼルス・クリッパーズ、カンファレンス・セミファイナルではオクラホマシティ・サンダーをそれぞれ4勝2敗で撃破。どちらのシリーズも連敗することなく勝利を収めている。

 今季のリーグ4強のうち、プレーオフの平均得点でリーグトップに立つのはウルブズのアンソニー・エドワーズ(28.9)で、2位がマブズのルカ・ドンチッチ(27.3)となっており、ウエスト決勝でこの2人による点の取り合いは必見だ。

 2004年以来20年ぶりのカンファレンス・ファイナル進出を決めたウルブズは、創設35シーズン目にフランチャイズ史上初のリーグ制覇を見据えている。
 「最高のシーズンになっている。我々はたくさんのことを成し遂げてきた。だが最初から言っていることだが、シーズンが進んでいくにつれて、『どうして我々ではいけないんだ?』という思いがある」

 ウルブズのクリス・フィンチHCは21日のメディア応対でそう口にし、今季の覇権争いについて言及していた。

「リーグはワイドオープンになっている。どのチームも王朝時代にいるわけではないということだ。今年はまた新たなチャンピオンが生まれる。今でもこうしてプレーできていることがすべて。まだまだ長い道のりだがね」

 NBAでは2017、18年にゴールデンステイト・ウォリアーズが連覇したのを最後に、5年連続で優勝チームが入れ替わっており、今季は昨季覇者ナゲッツの敗退により、6年連続で新たな王者が誕生する。これは1975年から80年以来、過去最長タイのスパンだ。

 なお、4強のうちウルブズとペイサーズは優勝経験がなく、セルティックスは2008年、マーベリックスは2011年を最後に頂点から遠ざかっている。

 はたして今季、チャンピオンの座に就くのはどのチームなのか。今後の戦いから目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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