4月3日、北山宏光が主演を務めるドラマ24「君が獣になる前に」(毎週金曜深夜0:12-0:52、テレ東系)の記者会見が都内で行われ、北山のほか、共演の玉城ティナ、鳴海唯、深水元基、高橋光臣が出席した。

■ヒトの「獣性」を問う戦慄のノワール・サスペンス

本作は、さの隆による同名コミックが原作。葬儀社の社員・神崎一(北山)が、史上最悪のテロ事件を起こした幼なじみ・希堂琴音(玉城)の犯行を止めるため過去にタイムリープし、奔走する姿を描く。

また、琴音にあこがれ、恋心を寄せる若手女優・宮ノ森真由を鳴海、事件を追う刑事・柳を深水、琴音の主演映画に出資し、無実を信じる実業家・大久保玄奘(げんしょう)を高橋が演じる。

■玉城「今までで一番クランクインの前にドキドキした作品でした」

本作への出演が決まったときの感想や自身の演じる役について聞かれ、「僕、ヤンマガを20年くらいずっと愛読してまして。最初にこの『君が獣になる前に』の漫画が出たときに、“うわ、なんて面白いんだ!”って思っていたものを今回自分が演じることになったので、とても感慨深いなぁと思いましたし、こういうご縁にも感謝しましたね」と喜びを語った北山。

史上最悪のテロ事件を起こす琴音を演じる玉城は「彼女がどうしてそうなってしまったのか…原作を読みながら何度も心を打たれました。ドラマになったときに、私が琴音を演じるにあたってどういう役作りができるだろうかと考えましたし、今までで一番クランクインの前にドキドキした作品でした」と心境を告白。

鳴海は「原作と脚本を読ませていただいて、“これはやらせていただきたい”と思う反面、“生半可な気持ちでは挑めない作品だな”と思いました。私は今まであまりこういうテイストの作品をやったことがなかったので、自分にとってもすごく挑戦でしたし、毎シーン緊張感を持ちながら丁寧に作っていかないといけない作品だなと思いました」と語った。

続いて高橋は「ドラマのお話をいただいて、企画書の段階ですごく熱を帯びてるというか、“この作品で視聴者の気持ちをグッと持っていくんだ”というものが詰まっていたので、“この作品どうなるんだろう”“主演の方、大変だな”と思いました(笑)。相当なカロリーで挑んでいらっしゃるんだろうなと。テロ事件というリアルでは描きにくい題材ですが、それを限界までリアルに近づけて描くことで、より刺激的で面白い作品になるんじゃないかなと思います」とコメント。

すると高橋から“主演の方、大変だな”と言われた北山は「あと1カ月で数キロ絞る覚悟でございます(笑)。きっと追い込まれるんじゃないかなと」と笑顔で答えつつも「その分、追い込まれたときの表情というか、伝わるものってあると思うので」と芝居に対するストイックな一面を明かした。

一方、琴音の事件を追う刑事・柳を演じる深水は「今回僕は刑事の役なんですけど、今まで追われることが多かったので、やっと追うことができるなと(笑)。ちょっと不慣れな役ですけど、精いっぱい頑張ろうと思います」と語りうれしそうな様子。

また以前「ただ離婚してないだけ」(2021年、テレ東系)で北山と共演していた深水。当時のことについて北山が「今と十何キロ違いましたよね」と問いかけると、深水は「そうだね。でもそのときも追い込まれる役で、お互いに結構やせたんだよね。現場でダイエットの話したりとか…」と明かし、当時の撮影を懐かしむ様子も見せていた。

■高橋「気持ちを持っていかれちゃって…」

撮影で印象に残っているエピソードについて聞かれると、北山からは「ティナちゃんの吐血がめちゃめちゃうまい」と驚きの回答が。

会場が若干ざわつく中、「あれ結構難しいんですよ。どのタイミングで(血のりを)吐かなきゃいけないとかあるんですけど、ティナちゃんは血のりを2回に分けて吐けるんです。これってすごいことなんですよ!」と熱弁。

すると深水も「これはすごいテクニックだよね。普通は1回で出しちゃいたいもんね」と共感し、さらに北山は「しかも口に含んでいることを直前までばれないようにやらなきゃいけなくて、それを2回に分けて吐血するっていう。すごいわぁ。そういう特技を持っていらっしゃったんですね」と玉城の演技を絶賛。

北山の横で照れながら聞いていた玉城が「ありがとうございます。今回の作品でまた一つ特技が増えました」と話すと、「“吐血女優”ね」とキャスト陣からツッコまれ、すかさず「“吐血女優”は嫌です」と否定し会場の笑いを誘った。

また、高橋は初共演となる北山について「どんな方なのかなと思いながら、撮影初日に『おはようございます』とあいさつしたら、『誕生日おめでとうございます』ってプレゼントをいただいて。それで気持ちを持っていかれちゃって、好きになっちゃいました(笑)」と明かし、初日から一気に北山に心を奪われた様子。

しかし北山から「3月は誕生日の方が多くて。こういうドラマですけど、裏ではハッピーなことがあるっていうのを大事にしたいなって」と言われると高橋は「誕生日、私だけじゃなかったんだ…」と悲しそうな表情を見せ、北山も思わず「すみません…」と苦笑いを浮かべていた。

■北山「未来に行って50才ぐらいの自分を見たい」

本作は過去にタイムリープする物語ということで、もしタイムリープするとしたら過去と未来、どちらに行って何をしたいか聞かれたキャスト陣。

それぞれが悩む中、玉城が「私は未来にはあんまり行きたくないな」と話すと北山は「えー! 俺、未来一択なんだけど」とすかさず反論。「私は過去一択かも」と話す玉城に対し「過去に行って何するの?」と北山が問いかけると「何もすることないけど、未来は見たくないなって」と答え、二人は考えが真逆な様子。

そんな北山は「未来に行って50才ぐらいの自分を見たい。それで、自分がどんな人になっているかを見て、今の自分をブラッシュアップして、よりいい50才になるみたいな」と話し、「ちょっと欲があるんじゃないですか」とツッコまれると、北山自身も「俺、“獣性”強いな」と思わず苦笑い。

北山と玉城の間で意見が分かれる中、鳴海は「私は過去に行って、恐竜が生きていた時代を見てみたい」と回答。ニューヨークにある恐竜博物館に一人で行くぐらい恐竜が大好きらしく、「ティラノサウルスが戦っているところを生で見てみたいです」と笑顔で語ると、思わず玉城は「多分それが正解です」とポツリ。

「私たち自分が生きている時代ばっかり考えてよくないですよね」と話すと、北山も「それぐらいファンタジーな方がよかったね」と苦笑いを浮かべながら玉城の意見に同意していた。

また高橋も「過去に行きたい」と回答したが、その理由について「過去に5回ほど同じ人に告白してダメだったことがあるので、タイムリープしてもう1回ぐらいいってもいいんじゃないかなと(笑)」と話すとキャスト陣は大爆笑。

「やめてください」「“獣性”強いね〜」とツッコまれながらも「やり口を変えれば何とかなるんじゃないかなと(笑)」と話し、意外な“獣性”をのぞかせた。

さらに深水も「過去に行きたい」と回答。その理由について「自分の小さいころに行って、自分の親がどういう風に世話をしていたかとか、どう接してくれていたのかなとか見てみたい」と答えると、「一番いい話…」と思わず北山も感動。高橋も「エピソード変えてもいいですか?」と冗談を言い、会場の笑いを誘った。