2018年10月期に“月9”枠で放送されたドラマ「SUITS/スーツ」。アメリカのメガヒットドラマ「SUITS」を原作に、勝利のためには手段を選ばない弁護士・甲斐正午(織田裕二)と驚異の記憶力を持つ天才フリーター・鈴木大貴(中島裕翔)が、さまざまな訴訟を解決へ導く痛快エンターテインメントだ。今年4月からのFODでは、人気のフジテレビドラマを毎月5作品分、FOD・TVerにて毎日無料公開する「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中。対象作品のひとつである「SUITS/スーツ」は第1話(6月6日木まで無料公開中)ほか、期間限定で無料公開中の放送回があるので今からでも楽しむことができる。第2話の見どころを紹介する。 (以下、ネタバレが含まれます)

■甲斐と大貴の軽妙なナイスコンビが始動

「SUITS/スーツ」は2020年に続編の「SUITS/スーツ2」が全15話に及ぶ長期話数で放送されるなど、弁護士コンビもののドラマで人気のシリーズとなっている。第2話は、素性を隠して弁護士になったばかりの大貴が、偽名の鈴木大輔として新たな人生を送り始めてすぐに、大病院のセクハラ問題を扱うことになる回。今記事でも以降は大輔と記していく。

甲斐は、クライアントである“いろは銀行”の佐橋哲平(米村亮太朗)から内部告発を受ける。部長の谷川好昭(長谷川公彦)が預金を不正流用し水商売の女性に貢いでいるというのだ。同じ頃、大輔は、甲斐に命じられ、プロボノ=無料法律相談会の仕事に取り組んでいた。そこで大輔は、勤めていた病院の院長から愛人にならないかと誘われたが、それを断ったせいで解雇されたという看護師・河瀬今日子(関めぐみ)の相談を受ける。今日子に同情した大輔は、法廷で闘うべきだと彼女に告げると、甲斐にもその旨を伝えた。甲斐はクライアントに同情するなと言って一度は反対した。だが、相手が東都医科大学病院院長の海部政継(中村育二)だと知ると、すぐに先方に連絡するよう命じる。海部は日本医師協会の次期会長候補。スキャンダルを嫌って示談に応じるはず、という甲斐の読みだった。

■元天才フリーターの大輔が成長していく物語

海部の海部の代理人弁護士・館林憲次(小須田康人)は、甲斐の予想通り、大輔が提示した金額での示談に応じる。交渉成功を喜ぶ大輔。だが、甲斐の秘書・玉井伽耶子(中村アン)は、物事が上手くいきすぎているときは必ず不吉なことが起こる、と大輔に告げる。その予言通り、大輔は、アソシエイトを監督する立場でもある蟹江貢(小手伸也)から、仕事に関しては逐一報告書を提出するよう命じられる。さらに、海部のセクハラ疑惑を報じるネットニュースが流れてしまい、示談で収めるはずの目論見が外れてしまうのだった…。

第1話で出来上がったばかりの甲斐と大輔のコンビは、その関係性もまだ手探り状態。突然の弁護士業務で右も左も分からないはずの大輔だが、持ち前の記憶力と人懐っこい笑顔で新人らしさを消していく姿が小気味良い。今後は大輔の成長物語としても楽しめそうだ。

甲斐から見ても大輔の伸びしろの大きさは楽しみであるかのような描写が少なくない。喪服のフォーマルスーツしか持っていないという大輔にお金を渡してスーツの仕立て屋に行かせたり、市民からの無料相談といった小さな案件ばかり任せていたかと思えば、大病院の医師のセクハラ案件がうまくいってないことを知ると、甲斐はスマートに手助けをして「俺が関わった以上、何が何でも勝つ」と宣言し、実際に華麗に相手を言い負かしていく。すべて事が片付いた後で、大輔にスーツの仕立て代金を請求して払い終わるまで働くよう命じるなど、甲斐の“いたずら心のある”大人な態度が、大輔を大きく成長させていくのだろう。大輔がパリッとスーツの似合う男になるまで、ドラマを見続けてみたくなる。