シンガー・ソングライターの長渕剛が最新アルバム『BLOOD』を5月22日に発売し、東京・タワーレコード 渋谷店「CUTUP STUDIO」で発売記念イベントを開催。肺気胸を発症し、療養していたことが報じられていたが、完全復活を感じさせるパフォーマンスを見せてファンを喜ばせた。

■長渕剛「ファンの人がずっと寄り添ってくれている」

長渕にとって約7年ぶり、ベストやライブ盤も含めれば47枚目のアルバムとなる新作は、全身に温かさを届けるものの象徴である“BLOOD=血”。そんな「温かさ」「優しさ」「叫び」を感じる10編の歌が収録されており、それぞれの心象風景にふと入り込む普遍的な詩と音楽、今の日本に足りない人間の温もりが詰まった作品となっている。

5月3日にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に初登場し、「とんぼ」を披露した動画は160万再生を超え、15日には同チャンネルで最新アルバムのリード曲「黒いマントと真っ赤なリンゴ」を披露している。

この日のイベントでは、アルバム購入者約300人の前でミニライブ、トークを披露。まず、MCと2人でトークを展開。冒頭、「ファンが気になっていると思いますが体調は?」と聞かれた長渕は「大丈夫ですね」と答えてファンを喜ばせる。

続いて、約7年ぶりの最新アルバムについて「僕がみんなに寄り添っているという感じより、45年と言ったらただ者じゃないくらい長い。ファンの人がずっと寄り添ってくれている。その一点でアルバムを作らせてもらっています」と、ファンへの感謝の思いを伝えた。

■仲間たちに感謝、恩を返したいと思って書いた「BLOOD」

今回のアルバムについて「赤が印象的」というMCの言葉には、「今回の10曲たちを自分で作って聞いた時に、優しい気持ちになりたかった。とにかく優しい気持ちになりたかった。自分は仲間たちに支えられて生きてきたって年々感じますね。特に大切な仲間たち、そばにいる仲間たちは10人もいないですが、濃ゆい仲間がいる。苦しい時、絶望の淵に立たされた時、利害じゃない、銭金じゃない、すぐに駆け寄っていく仲間がいるんですよ。何十年も何かあった時に集まって、話して、涙を流したり、奥歯をかみ締めたり。その仲間たちに感謝、恩を返したいと思ったわけ。それで『BLOOD』を書いた」と明かした。

また、「人間の思いは時代が変わっても不変のテーマ。その優しさを抱きしめて曲を書いていきたいと思いますね」と音楽に対する思いを語る場面も。

ほか、「THE FIRST TAKE」出演したこと、入院中のことなど、さまざまなエピソードを披露。肺気胸については病状を細かく伝えながらも、「絶対安静は強敵。3日目に痛みも和らいできて、バレないようにスクワットを(やって)25回か30回目で看護師が入ってきて『どうかしましたか!』って(笑)」と注意されたことなどを話し、ファンの笑いを誘った。

そして、6月25日(火)から始まるツアーに向けては「コンディションはバッチリですよ」「リハーサルでガンガンやってますから」と話し、ファンを喜ばせた。


■デビュー間もない頃以来となるライブハウスでのパフォーマンス

後半のライブパートは、「黒いマントと真っ赤なリンゴ」で幕を開け。「かましたれ!」でファンと一体になり、「とんぼ」はファンと一緒に熱唱する。そして、「ファンの顔が見たい」と会場の照明をつけさせると、「元気してた?」と問いかけ、ファンの歓声に「(自分は)すこぶる元気です!」と応える。「今日は渋谷で決起集会。宣戦布告でございます!」と叫び、最後の曲「BLOOD」へ。

歌い終えた長渕は「今日はこれで終わり。次はツアーだ。みんな来いよ!」とファンに呼び掛けてステージを降りたが、ファンの鳴り止まない「剛」コールに応えて再びステージへ。特別に「乾杯」をファンと歌ってイベントを締めくくった。

長渕は、同アルバムを引っ提げたアリーナツアー「TSUYOSHI NAGABUCHI ARENA TOUR 2024 “BLOOD”」を、6月25日の大阪城ホールから10月19日(土)の東京・有明アリーナまで、全国6カ所11公演を開催する。

■長渕剛ニューアルバム『BLOOD』発売記念イベント
◇5月22日(水)◇東京・タワーレコード 渋谷店「CUTUP STUDIO」

<セットリスト>
M01.黒いマントと真っ赤なリンゴ
M02.かましたれ!
M03.とんぼ
M04.BLOOD
EN1.乾杯