前田拳太郎と奥智哉がW主演を務めるドラマ「君とゆきて咲く〜新選組青春録〜」(毎週水曜深夜0:15-0:45、テレビ朝日※関東ローカル)の第4話が5月15日に放送された。鵺野義正(渡辺いっけい)の屋敷に向かった丘十郎(奥)のもとに駆けつける大作(前田)の姿が感動を呼んだ。(以下、作品のネタバレを含みます)

■「君とゆきて咲く〜新選組青春録〜」とは

本作は、史実を織り交ぜながら隊士たちの葛藤を描いた、手塚治虫氏の隠れた名作「新選組」を原作とした“シン・時代劇ドラマ”。幕末の時代を生き、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春群像劇を、殺陣パフォーマンスや剣舞を取り入れた新たなスタイルで描く。

近藤勇や沖田総司、芹沢鴨など、新選組メンバーを中心に実在の人物も登場するが、物語の中心となるのは、オリジナルキャラクターとして描かれる深草丘十郎、鎌切大作という若き二人の隊士。二人は熱い友情を育んでいくものの、いつしか時代の波に翻弄(ほんろう)され、互いに殺し合わなくてはならない悲壮な運命へとなだれ込んでいく。

物語の主人公となる大作と丘十郎を演じるのは、前田と奥。「仮面ライダーリバイス」(2021年〜2022年、テレビ朝日系)で共演経験のある二人が、本作では熱い友情で結ばれた新選組の若き隊士を演じる。

また、二人を取り巻く新選組隊士には、杢代(原因は自分にある。)、羽谷、柊太朗、庄司浩平、簡秀吉、藤岡真威人、阪本奨悟、永田崇人、三浦涼介、高野洸ら、舞台から音楽、SNSまでさまざまなステージで活躍する若手キャストが集結。なかでも、「人生が変わる、シン・時代劇オーディション『真剣 SHINKEN』〜新選組への道〜」と題したオーディションで南無之介役を勝ち取った羽谷のほか、ともに最終審査を戦った柊太朗、庄司、上野凱らがどんな躍動を見せるのかも注目される。

■助太刀に向かおうとする丘十郎を大作は呼び止める

文久3(1863)年の京都。お人好しの父・七也(戸次重幸)が営む小さな茶屋で働く深草丘十郎(奥智哉)は、慎ましくも誠実に日々を生きていた。ところがある夜、店に逃げ込んできた佐幕派藩士をかくまった七也が、長州藩士の庄内玄悟(上野凱)に斬り殺されてしまい、その穏やかな日常が一変。丘十郎は父の敵討ちを心に誓い、強くなるため壬生浪士組に入隊する。

壬生浪士組の入隊試験を前に、新之丞(杢代和人)が屯所から姿を消す。行くあてもなくさまよっていたところ、かねてから新之丞を狙っていた会津藩御用達の豪商・鵺野義正(渡辺いっけい)の手下に見つかり、捕らえられてしまう。

それを知った南無之介(羽谷勝太)は、いてもたってもいられず新之丞のもとへと急ぐ。助太刀を決意した丘十郎(奥智哉)も急いで後を追おうとするが、大作(前田拳太郎)が「本当に行くの?」と呼び止める。

■丘十郎は剣術がおぼつかなく、危うく斬りつけられそうになる

「先輩方は動かないよ。芹沢さんに逆らえないらしい」と大作が言うと、丘十郎は「ならなおさら行くしかない」と毅然と言い切る。ため息をついて「お人好し」という大作に、丘十郎は「大作…来てくれないのか?」と心細そうに言う。

大作は丘十郎を助けた謎の男が告げた、「しっかり見ちょりや。そうやないと、こいつは、死ぬで」という言葉を思い出しながら、丘十郎のほうに振り返って「がんばって」とほほ笑む。丘十郎は「わかった」とだけ言って、駆け出してゆく。

大作がひとり物思いに耽っていると、沖田総司(藤岡)に「行かないの?」と声かけられる。大作が「行く理由がない」と答えると、沖田は「同志だから。君は違うの?」と尋ねる。

丘十郎と南無之介は、やむなくたった2人で大勢のならず者が待ち受ける鵺野の屋敷に乗り込む。ただでさえ丘十郎は剣術がおぼつかなく、多勢に無勢で劣勢となる。危うく斬りつけられそうになったとき、丘十郎を救ったのは大作だった。大作は丘十郎を立たせ、丘十郎を庇いながら得意の剣術で戦っていく。

丘十郎を放っておけず、また、同志であることを再認識して助太刀に駆けつける大作の勇姿に胸が熱くなった。

◆構成・文=牧島史佳