突然現れた巨大な陥没穴の先に広がる“紀元前1万年の世界”を舞台に、命がけのサバイバルを繰り広げながら離れ離れになった家族との再会を目指すドラマ「ラ・ブレア」。シーズン1で明らかになった事実、そして誰しも予測しなかった結末を経て、シーズン2では巨大な陥没穴の秘密を解き明かす様子が描かれる。そこで本記事では、「ラ・ブレア」シーズン2(全14話)のストーリーや見どころについて振り返っていく。(以下、一部作品のネタバレを含みます)

■家族と再会するために奮闘する「ラ・ブレア」シーズン2のストーリー

シーズン1で巨大な陥没穴に吸い込まれ“紀元前1万年の世界”に行きついたイヴ・ハリス(ナタリー・ジー)たちは、生きて別の時代にタイムトラベルできる“光”を発見する。

そんな中、息子のジョシュ・ハリス(ジャック・マーティン)とその友人のライリー(ヴェロニカ・セントクレア)がその光に吸い込まれ1988年へ飛ばされてしまう。行きついた先はハリウッドで、丘に巨大な陥没穴ができていた。その後偶然出会ったフランクリン教授から、“3年前にハリウッドに陥没穴ができ、4日後にも別の場所に陥没穴ができる”と予言される。

一方、紀元前1万年に残されたイヴたち生存者は、“光”の事情を知っているサイラス(マイク・リー)から、ジョシュとライリーを呼び戻す方法を聞き出そうとしていた。サイラスいわく、“2人を呼び戻す方法を知っているのは、現代からやって来たレベッカ(ミンチュー・ハイ)だけ”だそうで、レベッカは北の森にあるガラスと鋼鉄でできた巨大ビルに向かったと聞かされる。

イヴは彼女を探しに北の森へ向かうのだが、道中で武装をした非道な男たちの集団・エグザイルズに遭遇し、誘拐されてしまう。彼らは捕らえた生存者たちを奴隷にして生活しており、同シーズンでは彼らの“ある目的”も明らかになる――。

また、シーズン1でシアトルの穴から飛び込んで紀元前1万年にやって来たイヴの夫、ギャヴィン・ハリス(オーエン・マッケン)や娘のイジー・ハリス(ザイラ・ゴレッキ)たちは、イヴたち家族と再会するためにロサンゼルスに向かって歩き続けていた。

ギャヴィンは地球保全を目的に謳う“ラザロ・プロジェクト”の運営者で父親のジェームス(ジョノ・ロバーツ)と対面し、その後イヴ、イジーらとともに“出入り口”を通ってジョシュのいる1988年にやって来る。こうして家族はようやく再開を果たすが、思わぬ展開が待ち受けているのだった――。

■ギャヴィンの両親と巨大な陥没穴に深い関係が…?

シーズン2での大きなポイントとなってくるのは、ギャヴィンの両親の登場だ。ギャヴィンの父親のジェームスはラザロ・プロジェクトという古代資源を目的とした活動団体を運営しており、2076年からやって来た人物。このプロジェクトが、今回の陥没穴の発生要因と密接に関わってくることになる。

またギャヴィンの母親・キャロライン(メリッサ・ニール)ももともとプロジェクトのメンバーだったが、彼女はプロジェクトの恐ろしさや問題に気付き、プロジェクトを抜けてからは地質学の研究者として活動していた。ギャヴィンらが1988年に行きついた際に母子は対面を果たすのだが、キャロラインは「災害を防ぎ大勢の人を救うには、紀元前1万年に行かなくてはいけない」と告げる。

その後、キャロラインの助言通り紀元前1万年に戻ったギャヴィン。キャロラインの活躍も相まって、1988年のサンタモニカ湾で発生するはずだった大災害を防ぐことに成功する。しかし、キャロラインはその後恐ろしい結末を迎えることになってしまう…。

そんな折、ギャヴィンは妻のイヴが死んでしまう幻覚を見るようになる。実は以前からギャヴィンは不可思議な幻覚を見ることに悩んでいたのだ。気が気でないギャヴィンは何としても妻を救おうと必死になるのだが――。

■恋愛、友情、家族愛…見どころ満載の人間ドラマにも注目

紀元前1万年と1988年の世界、そして未来までもが複雑に交差する「ラ・ブレア」シーズン2。家族と再会しようとする母親のイヴの活躍ぶりや、ギャヴィンの人々を救うためにとる行動など、ハリス家の奮闘を中心に物語は展開していく。そんな中でも、本シーズンではこのハリス家の複雑な人間模様が見どころの一つとなっている。

そんなハリス家にとって大きな存在となるのが、エアフォースのパイロットでギャヴィンの友人・リーヴァイ(ニコラス・ゴンザレス)。もともとシーズン1でも登場し、現代から紀元前1万年に遡る際も、ギャヴィンが彼を強く推薦しミッションに挑むことになった信頼のおける人物だ。

しかしシーズン2では、ギャヴィンとの夫婦仲がうまくいかないイヴに対し、「自分がいる」「二度と離れない」などと言ってなぐさめる。しかも、イヴが武装集団・エグザイルズに捕まった際、リーヴァイは自らエグザイルズに身を差し出し、自分自身を連行させたのだ…。

そして作中では、2人が集団の中で仲を深め、幸せそうに過ごす様子が描かれている。リーヴァイはイヴに惹かれており、イヴも献身的なリーヴァイに好意を抱くようになったのだ。

しかし、幸せな2人のもとに何も知らないギャヴィンがやって来て、ついに家族は再会を果たす。リーヴァイに心惹かれていたイヴだが、ギャヴィンと再会することで初めてのデートのことを思い出したりと、徐々に彼への愛情を思い出していく…。

その後、夫婦の仲睦まじい様子を見て喜ぶイジーら子供たち。そして絆が深まったハリス家の姿を目にしたリーヴァイは、とんでもない行動に出てしまう…。イヴ自身も最終的にギャヴィンとリーヴァイのどちらかを選択する場面に遭遇するのだが、イヴの揺れ動く心理描写も本作の注目ポイントだ。

またシーズン2では、イヴ・ギャヴィン・リーヴァイの3人以外にも様々な人間関係のエピソードが描かれており、恋愛や友情、きょうだいや家族愛などが繊細に描かれている。

非日常的なSF作品でありながらも、随所でほっこりしたり切なくなったりなど、思わず感情移入してしまうような人間ドラマも楽しめる「ラ・ブレア」シーズン2。動画配信サービス「Hulu」では、本シーズンに加えて、シーズン1と3も見放題配信中だ。