長谷川博己主演の日曜劇場「アンチヒーロー」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第6話「Episode6 -不正-」が5月19日に放送された。同ドラマは、長谷川が7年ぶりに日曜劇場で主演を務める、日本の司法組織を舞台とした“逆転パラドックスエンターテインメント”。「正義の反対は、本当に悪なのだろうか」ということを視聴者に問い掛け、スピーディーな展開で次々と常識を覆していく。第6話は、かつて政治家のスキャンダル記事を書いていた副編集長・沢原(珠城りょう)の弁護を明墨(長谷川)が請け負う。(以下、ネタバレを含みます)

■“アンチ”な弁護士を演じる長谷川博己をはじめ個性派俳優が集結

長谷川は「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士を演じ、主人公と同じ法律事務所で働く同僚弁護士役で北村匠海と堀田真由、パラリーガル役で大島優子、東京地方検察庁の検察官役で木村佳乃、検事正役で野村萬斎が出演。

さらに、7作目の日曜劇場出演となる相島一之、「小さな巨人」(2017年)にて長谷川と共演歴のある神野三鈴の他、小松利昌、近藤公園、松角洋平、馬渕英里何、宮尾俊太郎、山本浩司、吉永秀平が出演。

また、林泰文、安藤彰則、井上肇、内村遥、河内大和、迫田孝也、須田邦裕、砂田桃子、高木勝也、谷田歩、珠城りょう、馬場徹、和田聰宏、渡辺邦斗が「VIVANT」(2023年)以来の日曜劇場出演となる。

ほか、近藤華、山下幸輝、渡邊圭祐、沢村玲、十文字陽菜、田中真琴、搗宮姫奈、諸星すみれといった若手俳優陣や、各方面で活躍中の朝夏まなと、一ノ瀬ワタル、s**t kingz・小栗基裕、田島亮、浪川大輔、早見あかり、前原瑞樹、水野勝が日曜劇場に初出演。

■出版社の情報漏えい事件の容疑者の弁護が新たな糸口に

明墨弁護士事務所に戻ってきた赤峰(北村)は、暗がりの中で明墨が緋山(岩田剛典)と話しているのに気付いた。明墨は控訴審の相談だと言っているが、2人が話していた内容は、12年前の糸井一家殺人事件に関係することだった。

緋山も12年前の事件と関係があるのだろうか。それはまだ謎のまま、新しい動きがあった。それは、かつて政治家のスキャンダル記事を書いた雑誌「週刊大洋」の副編集長だった沢原の弁護を引き受けたこと。

沢原は、勤めていた出版社で起きた機密情報と個人情報の流出事件の容疑者として逮捕され、第一審で懲役1年の判決を受けた。自分は嵌められたと無罪を主張する沢原の前に明墨が現れ、「私があなたを無罪にして差し上げます」と、自信たっぷりに語りかけた。

■証拠がそろいすぎていることに不自然さを感じた明墨

情報流出事件の容疑者とされた沢原。逮捕の決め手となったのは、その情報流出に沢原のIDが使われていたこと。そして、沢原の口座に300万円を超える入金記録があったこと。

社員証(ID)を紛失した、というか誰かに盗まれたことがあり、その時に情報流出があったという。口座に大金が振り込まれていたが、それにしばらく気づかなかったことも今回の裁判で不利に働いた。

情報が入ったUSBメモリーには沢原の指紋が付いていて、それも決め手の一つとなったようだ。

明墨は、沢原に不利な証拠がそろいすぎていることから、沢原が犯人ではなく、彼女を陥れようとした人物がいると考えていた。

■現副編集長の上田が政治家とつながっている証拠を押さえた

沢原は、思い当たる人物として、元上司だった部下・上田(河内)を挙げた。会社の女性登用の方針により、沢原が副編集長に抜擢されたが、上田は自分を飛び越して昇進した沢原に対しての逆恨みが原因ではないかと。

明墨は、赤峰と紫ノ宮(堀田)を伴い、取材を受けるという名目で「週刊大洋」編集部へ。副編集長になった上田に接触し、探りを入れるというよりも、沢原の弁護人となったことを伝えて宣戦布告した。

「週刊大洋」のバックナンバーから、上田が法務副大臣・加崎(相島)とつながっていると推測し、GPSを使って赤峰が上田を尾行。その秘書と会っているところを写真に収めることにも成功した。

■12年前の事件とつながる人物として瀬古判事が浮かび上がった

着々と沢原を無罪にするための新証拠を集めるが、控訴審を担当する裁判官・瀬古判事(神野)はすべての新証拠を不採用に。

明墨が新たに証拠を探す必要はないという指示を受けた赤峰は、明墨には別の目的があるのではないかと考え、紫ノ宮と一緒に緋山の事件を含めたこれまでの事件を改めて検証すると、一人の人物が浮かび上がってきた。

それは、瀬古判事だった。12年前に志水(緒形直人)に死刑判決を言い渡したのも瀬古だったことが分かり、また一つ、点と点がつながった。

検事正・伊達原(野村)とのつながりも見えた瀬古判事を、明墨がどのような手段で追い詰めていくのか楽しみだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部