前田拳太郎と奥智哉がW主演を務めるドラマ「君とゆきて咲く〜新選組青春録〜」(毎週水曜夜0:15-0:45、テレビ朝日※関東ローカル)の第5話が5月22日に放送された。剣舞でうまく動けず、大作(前田)に教えを乞う丘十郎(奥)の殊勝な姿がいじらしく、応援したい気持ちにさせられた。(以下、作品のネタバレを含みます)

■「君とゆきて咲く〜新選組青春録〜」とは

本作は、史実を織り交ぜながら隊士たちの葛藤を描いた、手塚治虫氏の隠れた名作「新選組」を原作とした“シン・時代劇ドラマ”。幕末の時代を生き、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春群像劇を、殺陣パフォーマンスや剣舞を取り入れた新たなスタイルで描く。

近藤勇や沖田総司、芹沢鴨など、新選組メンバーを中心に実在の人物も登場するが、物語の中心となるのは、オリジナルキャラクターとして描かれる深草丘十郎、鎌切大作という若き二人の隊士。二人は熱い友情を育んでいくものの、いつしか時代の波に翻弄(ほんろう)され、互いに殺し合わなくてはならない悲壮な運命へとなだれ込んでいく。

物語の主人公となる大作と丘十郎を演じるのは、前田拳太郎と奥智哉。「仮面ライダーリバイス」(2021年〜2022年、テレビ朝日系)で共演経験のある二人が、本作では熱い友情で結ばれた新選組の若き隊士を演じる。

また、二人を取り巻く新選組隊士には、杢代和人(原因は自分にある。)、羽谷勝太、柊太朗、庄司浩平、簡秀吉、藤岡真威人、阪本奨悟、永田崇人、三浦涼介、高野洸ら、舞台から音楽、SNSまでさまざまなステージで活躍する若手キャストが集結。なかでも、「人生が変わる、シン・時代劇オーディション『真剣 SHINKEN』〜新選組への道〜」と題したオーディションで南無之介役を勝ち取った羽谷のほか、ともに最終審査を戦った柊太朗、庄司、上野凱らがどんな躍動を見せるのかも注目される。


■会津藩主の前で“剣舞”を披露することに

文久3(1863)年の京都。お人好しの父・七也(戸次重幸)が営む小さな茶屋で働く深草丘十郎(奥智哉)は、慎ましくも誠実に日々を生きていた。ところがある夜、店に逃げ込んできた佐幕派藩士をかくまった七也が、長州藩士の庄内玄悟(上野凱)に斬り殺されてしまい、その穏やかな日常が一変。丘十郎は父の敵討ちを心に誓い、強くなるため壬生浪士組に入隊する。

壬生浪士組の念願だった会津藩への謁見が決定。芹沢(三浦涼介)の発案により、大作、丘十郎、新之丞(杢代)、南無之介(羽谷)ら隊士たちは謁見の際、会津藩主の前で“剣舞”を披露することになる。

■丘十郎「どうしたらお前のようにできるようになるんだ?」

一同は芹沢の指揮の下稽古に励むが、丘十郎は思うように動けず失敗ばかりで、自分ひとりが足を引っ張っていると感じていた。

夕飯の片付けをしている最中、丘十郎と大作が2人きりになり、丘十郎は「俺ももっと稽古すればできるようになるのか?」と尋ねる。大作は「適当でいいよ」となげやりに言って台所を出ていき、丘十郎は後を追って「ダメだ。どうしたらお前のようにできるようになるんだ?教えて」と詰め寄る。

「そうだなぁ…もう1回走り回ってみたら?それが鍛錬だって、君の好きな近藤さんも言ってるんだろ」と子どもをあやすように言って丘十郎の肩をポンポンと叩く。丘十郎はカッとなって「お前にはもう聞かない!」と言って立ち去るのだった。

大作に教えを乞う丘十郎の姿が健気でいじらしく、応援したい気持ちにさせられた。

◆構成・文=牧島史佳