グアルディオラも認める手腕

バイエルン・ミュンヘンの新監督候補の一人として名前が挙がるなど、日本代表MF三笘薫が所属するブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督は、いまや欧州サッカー界屈指の名将の一人として数えられている。

緻密にデザインされた攻撃の組み立てが特長のブライトンについては、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も称賛の言葉を惜しまない。同監督は、イギリス国営放送『BBC』の取材を受けた際にブライトンを指揮するデ・ゼルビ監督について以下のように語った。

「デ・ゼルビに対する私の感嘆の思いは年々増している。彼はブライトンで信じられないような仕事をしているんだ」

しかし、サッカー関係者の中には世間のデ・ゼルビ監督に対する評価に疑問を持つ者もいる。かつてユベントスやレアル・マドリードで数々のタイトルを獲得したファビオ・カペッロ氏もその一人だろう。

同氏は、マドリードで行われたイベント『Laureus Sports Awards』に出席した際にデ・ゼルビ監督についての話題になると、「彼は良い準備ができる監督で、どのチームを指揮しても自分のアイディアをしっかりと落とし込める」と称賛する一方で、「私の中では、デ・ゼルビは3番手グループの監督にランク付けされる。グアルディオラをはじめ多くの人々が彼を一流の監督の一人と見なしているが、彼のチームは今季のプレミアリーグでは10位もしくは11位だ。それから、彼はこれまでのキャリアでタイトルを獲得したことがあるか?」とも語り、ゼ・ゼルビ監督が名将と評価されていることに疑問を呈した。

フットボールに対する明確な哲学を持ち、さらにその哲学を選手達に伝える力を持ち合わせていることは重要だが、それらだけでなく結果も伴っていなければ名将とは言えない。それがカペッロ氏の考えのようだ。