王者の地位を取り戻さなければならない

日本代表DF伊藤洋輝の獲得を正式に発表したバイエルン・ミュンヘン。契約期間は2028年6月末までの4年、契約解除金3000万ユーロ(約51億円)が支払われたという。

独『kicker』は伊藤の獲得に関して「FCバイエルンの責任者らは、この日本人がVfB(シュツットガルト)のセカンドチームからトップの成績を収める選手に成長したことを気に入っている。彼は中央守備の左側を担うと同時に左サイドバックでもプレイできる、注目の左足選手でもある」と評価した。また、これで2025年に契約が満了となる左SBのアルフォンソ・デイビスが契約延長に応じなくとも、同ポジションを埋められることが示唆された。

ドイツ国内で圧倒的な力とクラブ規模を誇りながら、23-24シーズンに屈辱の3位に甘んじたバイエルンは、本気で改革に乗り出しているようだ。同紙も、8月までにたくさんのことが起こるだろうと報じている。

すでに移籍交渉が進行しているのはレヴァークーゼンDFヨナタン・ター、フラムMFジョアン・パリーニャだ。パリーニャは交渉が難航しているようだが、本人はバイエルン行きを希望していると伝えられており、最終的に獲得する可能性は高いだろう。

ライプツィヒへのローン移籍で大活躍したMFシャビ・シモンズにも触手が伸びているようだ。同紙によれば1年前に所属元のパリ・サンジェルマンと契約延長交渉をした際に、将来に対する本人の発言権が保証されていたといい、非常に複雑だがパリを離れる可能性もあるという。

さらに、攻撃的なウイングの選手も探していると伝えられている。伊藤と同じシュツットガルトでリーグ8ゴール7アシストを記録したクリス・フューリッヒが候補のようだが、さらに若く将来的に有望な選手も狙っており、マインツで4ゴール3アシストを記録した20歳のブラヤン・グルダ、そしてCLでも存在感を発揮したポルト所属の21歳フランシスコ・コンセイソンの名前も挙がっている。

同紙によれば非売品とされているのはジャマル・ムシアラ、ハリー・ケイン、アレクサンダル・パブロビッチなどほんのわずかであり、大改革のためにマタイス・デ・リフト、ダヨ・ウパメカノなど移籍の噂が挙がっている選手だけでなく、レオン・ゴレツカやジョシュア・キミッヒなどを含む高額契約を結んでいる選手たちも放出される可能性があるようだ。

ヴァンサン・コンパニ体制で新たな船出となるバイエルン。伊藤の獲得は大改革への第一歩となる。