テイクアウトの焼き鳥は数あれど、“冷めていても美味しい”焼き鳥は数少ない。

そんな中でも不動の人気を誇るのが「国技館やきとり」。その美味しさを生む、秘密のレシピを教えてもらった!


タレ付けと焼きが唯一無二の味の決め手


国技館でなぜ焼き鳥?と思う人もいるだろう。

一説によれば、鶏は2本脚で歩き、羽(手)を土に着けない。それが、土俵に足の裏以外が先に着いた方が負けるという相撲では縁起がいいと誕生したとのこと。思わず納得してしまう理由だ。

さて、本題。なぜ、「国技館やきとり」は、冷めていても美味しいか?「国技館やきとり」の営業と製造を統括する永井さんに話を聞いた。

「両国に国技館が移る前、蔵前国技館の頃は、炭火で煙をもくもくさせながら焼き鳥を焼いていたようですが、両国に国技館が移った際に、消防法等の問題があるため焼きたてを提供することが難しくなりました。

そこで、いまも使用している焼き鳥機が開発され、1985年1月場所から“冷えていても美味しく食べられる”焼き鳥の販売が始まりました。冷えていても美味しいために、さまざまな工夫をしています」



「まず肝心の鶏。冷凍肉は解凍すると肉汁が出て旨みが無くなってしまうため、国産の生の鶏肉のみを使用しています。

さらに、もも肉とむね肉を同じ串に刺し、食感の違いを楽しめるようにしたことも美味しく食べるための工夫です。また、味わいの肝になるタレにもこだわりがあります。

以前は醤油、みりん、砂糖を継ぎ足しながら年間で3万リットルもの量を工場で作っていました。ただ、このタレを作る作業が重労働なんです。そのためいまではベースになるタレは業者さんにお願いしています。

ただ、タレは使用していくと鶏の脂などで薄まってしまうため、いまでも工場の職人が手直しのため継ぎ足しを行い、味わいを均一にしています。

続いて、タレの付け方と焼き方も重要です。実は工程の中で6回タレを重ね付けしています。焼きの工程で4回タレを付けながら焼き、さらに焼き上げたあとも2回タレを付けます。

これは、焼き鳥店の焼き方をお手本にしています。この焼き方にすることで、柔らかくて味がしみ込んだ焼き鳥に仕上がります。

さらに、味ムラをなくすため30分以上かけてタレつぼに浸し、仕上げに冷却器で20度まで冷まし、完成します。これだけの手間暇をかけて作った『国技館やきとり』は、多くのお客様に愛される人気商品となりました。

大相撲中継などを観た際に“冷めていても美味しい”焼き鳥を思い出し、焼き鳥食べたいなぁと思っていただけたら嬉しいです」


【そもそも「国技館やきとり」って何?】
相撲観戦しながら飲むお酒のアテとして誕生


両国国技館で相撲観戦の際の大人のおつまみとして売られているのが「国技館やきとり」(5本入り/¥750)だ。

相撲ファンの間で“冷えていても美味しい”と話題になり、お土産として持ち帰る人が増えたことで、全国に知れ渡った!


もっと知りたい!国技館やきとりQ&A


相撲ファンのみならず、多くの人を魅了している「国技館やきとり」。その魅力をさらに深掘りすべく、永井さんに質問をしてみた!

Q.どこで作っているの?



A.国技館地下の工場で作っています!

「両国国技館の下に巨大な工場があり、そこで作っています。

本場所中は多くのスタッフが総力を結集し、1日約5万本もの焼き鳥を焼いています。相撲人気が高まった若貴時代には1日10万本を焼いていました」


Q.ちなみに温めても美味しいの?



A.そのままが美味しいけど湯煎もオススメです

「そのまま食べて頂くのが一番オススメですが、ラップをかけて電子レンジで温めてもOK。

また、お土産用の冷凍国技館やきとり(10本入り/¥1,500)などは、パックになっているので湯煎するのも◎」


Q.2番人気のアイテムは?



A.弁当ではないですが……関連グッズも人気です

本場所中に販売されている国技館やきとりの包み紙のデザインを活かした「やきとり巾着」(¥600)や、「やきとりハンドタオル」(¥650)などの関連グッズも人気。

「相撲観戦にいらしたお客様が『かわいい』と喜んでくださり、記念に買ってくださることが多いです」


Q.国技館でしか買えないの?

A.上野駅や東京駅、新宿駅などでも買えます!

冷えていても美味しい焼き鳥は、駅でも買えるので旅のお供にオススメ!

「東京駅構内の『駅弁屋』をはじめ、JR上野駅、新宿駅、大宮駅。また、『ザ・ガーデン自由ヶ丘』や、両国観光案内所『江戸NOREN』で購入できます」



お話を伺ったのは……
国技館サービス 取締役・営業部長 永井賢二さん


両国国技館で販売する商品の決定から仕入れ、販売の統括を担当。また、国技館やきとりの営業と製造の統括も担当している。


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