阿部巨人の「不動の4番」がいよいよエンジン全開だ。4月後半までわずか3本塁打と低迷していた岡本和真内野手(27)が、ここにきて大変身。リーグトップタイとなる8号をマークし〝量産態勢〟に入った。打棒爆発の裏側にはきっかけの1つとして、あの超人気ユーチューバーの存在があったという。

 岡本和は14日のDeNA戦(富山)に備え、13日に現地入り。試合が行われる富山アルペンスタジアムでは奈良・智弁学園高時代に投手として登板経験を持ち、プロ入り後の2018年には同じDeNAを相手に本塁打を放つなど、好相性を誇っている。 

 ここまで今季は決して順調ではなかった。4月26日まで、わずか3本塁打。単打こそ出ていたものの、長いトンネルにハマり込んでいた。しかし、ヤクルト3連戦(神宮)の2戦目(11日)で6、7号と2打席連続弾を放つと、3戦目(12日)にも先制の8号ソロ。昨季はリーグトップの41本塁打を放ったGの大砲が一気に村上(ヤクルト)、細川(中日)に並ぶセ界キングに躍り出た。

 新生・阿部巨人で開幕からチームで唯一、不動の「4番・一塁」で出場し続けている。普段から「調子の波がないように」と心掛けているもののチーム全体の貧打の影響もあり、重圧は増すばかりだった。

 そんな主砲にとって5月上旬に、最高のリフレッシュをもたらす会合があった。長年の憧れの存在であるユーチューバーのHIKAKINと初めて食事を共にしたのだ。2ショット写真をHIKAKINが自身のX(旧ツイッター)にアップ。「巨人のおかもっちゃんとメシを食べました。いい人でした」とコメントを寄せた。

 現代の若者らしく岡本和はユーチューバーを早くからリスペクト。昨年1月には847万人の登録者を誇る人気グループ・フィッシャーズとコラボしたが、岡本和自らが希望して実現したものだった。

 公式チャンネル「HikakinTV」が登録者数1630万人を数えるスターのHIKAKINに対しても、心から尊敬の念を抱く。初めて3割30本100打点をマークした2018年12月19日の契約更改後の会見でも「夢を与えている」とHIKAKINをたたえると、自身も年俸が上がることで「(子供の)夢につながる」と意識する発言をしていた。

 HIKAKINとは「初めて会いました」と打ち明ける岡本和は、満面の笑み。憧れの人との初対面で大いに刺激を受けたようだ。復活のきっかけをつかんだことで2年連続の本塁打王、そしてチームの4年ぶりリーグVと2012年以来の日本一奪回へ向けてひた走る。